現実的なワーストケースの式への疑問(1)
「直列のジャクソン・ネットワークでX-Factorが一番大きい構成」で、直列のジャクソン・ネットワークでX-Factoerが一番大きい場合には、X-Factoerが
となることを導きました。ここで正味の処理時間(ロー・プロセス・タイム)を、サイクルタイムをで表すと
になります。よって
- ・・・・・・(1)
です。ここでスループットを、ボトルネック・ステーションのキャパシティをで表すと、ボトルネック・ステーションの利用率は、
となるので式(1)は
- ・・・・・・(2)
よって
これを式(2)に代入して
よって
- ・・・・・・(3)
ところで、「定義(現実的なワーストケース)」を見ると、
- ・・・・・・(4)
- (のPWCはPractical Worst Case「現実的なワーストケース」を意味しています。)
となっていてとだけ差があります。
式(4)は「定義」なので、「そのような定義である」、と言われればそれまでですが、私には式(3)をもって現実的なワーストケースの数学的モデルとするほうが根拠が強いと思います。実際の応用においてはは何百、何千のオーダーなので、があってもなくてもほとんど差はないのですが・・・・・・
「現実的なワーストケースの式への疑問(2)」に続きます。