現実的なワーストケースの式への疑問(3)

現実的なワーストケースの式への疑問(2)」の続きです。
自分があるジョブの上に乗ってラインに到着した時、ラインのWIPは平均w-1になるというのが、

  • CT=T_0+\frac{(w-1)}{r_b}

におけるw-1の根拠になっています。そして、なぜ平均がw-1になるかという理由は、自分が乗っているジョブ、すなわち今ラインに到着したジョブと合わせてwになるから、ということです。これは一見正しそうに見えます。しかし、本当に正しいのでしょうか?


問題をまとめますと、

  • ジョブがラインに到着した時のWIPを多数のジョブについて記録するとする。
  • その際、到着したジョブWIPに数えないとする。
  • その記録された多数のWIPの平均値を求める。
  • 記録するジョブの数を無限に近づけていった時、こうして求めたWIPの平均値はw-1に収束するか、それともwに収束するか?
  • ただしwWIPの時間平均であるとする。

ところで、ジョブ到着時のWIPの平均値は、WIPの時間平均とは、そもそも一般的には異なるものなのでしょうか?
さらにここを掘り下げてみたいと思います。
時間平均と到着時平均」に続きます。