仏教
- 作者: 渡辺照宏
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1974/12/20
- メディア: 新書
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この本の著者は前書きに著述の方針を述べておられますが、大変困難な方針を立てられたものです。
本書を通読すれば仏教についてひととおり基本的な知識が得られるように工夫する。どうしても必要なテーマを落とさないように注意する。叙述をできるだけ平易にして、予備知識なしに読めるように気をつける。それと同時に、内容については専門学者の批判に耐え得る水準を保ち、学問的に責任の持てることのみしか書かない。仏教において人生の指針を求める人びとの手引きともなる。学生や研究者の参考としても役に立つ。
「まえがき」より
この全てを本書が実現したかどうかは私には判断出来ません。もちろん著者の真剣さは疑うべくもありません。だいたいが仏教思想自体が原始仏教から密教まで多様な変貌を遂げています。それをコンパクトな新書にまとめるだけも大変なのに、ましてや「必要なテーマを落とさ」ずにしかも「専門学者の批判に耐え得る水準を保」つとなればその困難さはどのくらいになるのでしょうか? それでありながら「人生の指針を求める人びとの手引きともなる」ことも目指しているのがこの本です。
この本には、お釈迦様が一番最初に説かれたという説法「初転法輪」が平易な言葉で引用されています。すこし引用します。
「修行僧たちよ。世の中には二つの極端がある。修行者はそのどちらに偏ってもならない。二つの極端とは何か。
第一には、官能の導くままに官能的快楽にふけることである。これは、卑しく、低級で、愚かしく、下等で、無益なことである。
第二には、自分で自分を苦しめることに夢中になることである。これは、苦しいばかりであり、下等で、無益なことである。
修行僧たちよ。如来は二つの極端をすてて、中道を悟ったのである。これによって、洞察も認識も得られ、寂滅、悟り、目ざめ、涅槃に到りつく。
何とか書こうと思いましたが、「仏教」は自分には重いテーマであり、うまく書けません。