第18章 キャパシティ管理 の概要

キャパシティ戦略、具体的には、新規生産ラインの設計や既存生産ラインの改造・編成変え、はコストに直接影響を与えるが、総体計画、スケジューリング、ショップフロア・コントロールといった他の計画と制御の問題に影響を与えることにより工場パフォーマンスにも影響を与える。
Factory Physicsの諸公式は、このキャパシティ戦略を検討するための基礎を提供することが出来る。これらの諸公式は、与えられたライン構成について、スループットサイクルタイムWIPを計算することにより、ラインの設計や改善の問題を、指定されたスループットサイクルタイムWIPの制約に従ってコストを最小にする問題に変換することが出来る。制約を変えることにより、我々はコスト対パフォーマンスの関係グラフを作ることが出来る。
キャパシティの拡大は、必ずしも装置の追加を意味するわけではない。例えば、既存装置に対する修理時間の短縮は装置の追加と類似したロジスティクス的効果がある。
この章の後半は、キャパシティ割当てとラインのバランス取りについて検討する。次の2つの結論が導かれる。

  • 歩調(ペース)を合わせた組立ラインは通常、バランスが取れているべきである。
    • 歩調を合わせた組立ラインでは通常ボトルネックであるのは歩調合せ機構(例えば、ベルトコンベア)である。作業を公平に割当てるために、そして、作業者が自分に割当てられた仕事を割当てられた時間内に完了することを可能にするために、出来る限り平等に仕事をステーション間で分割するべきである。
  • (それとは反対に)フロー・ラインは通常、バランスが取れていないようにすべきである。


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