Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(14)

Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(13)」の続きです。
今日も2ページ。突っ走るしかない。

ケース1:c_s^2{\ge}1の場合

		d_s^3=3c_s^2(1+c_s^2)			(51)

これはH_2^b公式

		d_s^3=\frac{3}{4}\left[\frac{1}{q^2}+\frac{1}{(1-q)^2}\right]q=\left[1+\sqrt{4(c_s^2-1)/(c_s^2+1)}\right]/2

から来ている。


ケース2:c_s^2<1

		d_s^3=(2c_s^2+1)(c_s^2+1)			(52)


 (52)はアーランE_k変数を考察することで得られる。E_kk個のiidの、平均\tau/kの指数確率変数X_iの和として表現出来、ここに\tauE_k変数の平均である。この場合、

E(X_1+...+X_k)^3=kE(X_1^3)+3k(k-1)E(X_1^2)E(X_1)+k(k-1)(k-2)(EX_1)^3
		=\left(\frac{\tau}{k}\right)^3[6k+6k(k-1)+k(k-1)(k-2)]
なので
		d_s^3=\frac{(k+2)(k+1)k}{k^3}=\left(1+\frac{2}{k}\right)\left(1+\frac{1}{k}\right)

これは、E_k変数においてc_s^2=k^{-1}なので(52)に簡約出来る。(51)と(52)はc_s^2=1の時の境界で一致することに注意しよう。
 (44)、(48)、(50)〜(52)から、即座にVar(D)ED^2の公式を得る。

		Var(D)=(ED)^2c_D^2=(EW)^2c_D^2/\sigma^2
		E(D^2)=Var(D)+(ED)^2			(53)

よってDからWの2次モーメント特性を得る。

	c_W^2=\frac{E(W^2)}{(EW)^2}-1=\frac{\sigma{E}(D^2)}{\sigma{ED}^2}-1=\frac{c_D^2+1-\sigma}{\sigma}
	Var(W)=(EW)^2c_W^2
	E(W^2)=Var(W)+(EW)^2				(54)


 さて我々はQNAがどのようにWの近似確率分布を計算するかを示す。分布は(48)内で与えられているようにゼロでのアトム(atom)とゼロより上の密度を持っている。密度はWDがそれらについてすでに定められた最初の2つのモーメントを持つように選ばれる。(これは一般ルールであって、以下のケース2と4ではあまり従っていない。)


ケース1:c_D^2>1.01DH_2^b密度(バランスのとれた平均を持つ超指数分布)を持っているとする。

		f_d(x)=p\gamma_1e^{-\gamma_1x}+(1-p)\gamma_2e^{-\gamma_2x}x{\ge}0		(55)
ただし
		p=\left[1+\sqrt{(c_D^2-1)/(c_D^2+1)}\right]/2
		\gamma_1=2p/ED		\gamma_2=2(1-p)/ED		(56)


ケース2:0.99{\le}c_D^2{\le}1.01Dが平均EDの指数分布密度を持つとする。


ケース3:0.501{\le}c_D^2<0.99Dの分布は、パラメータ\gamma_1\gamma_2(\gamma_1>\gamma_2)を持つ2つの指数分布の畳み込みであるとする。つまり、Dは密度

		f_D(x)=\left(\frac{\gamma_1\gamma_2}{\gamma_1-\gamma_2}\right)(e^{-\gamma_2x}-e^{-\gamma_1x})x{\ge}0	(57)
ただし
		\gamma_2^{-1}=\frac{ED+\sqrt{2Var(D)-(ED)^2}}{2}
であり
		\gamma_1^{-1}=ED-\gamma_2^{-1}			(58)

関係する裾野(tail)確率は

		P(D>x)=(\gamma_1e^{-\gamma_2x}-\gamma_2e^{-\gamma_1x})/(\gamma_1-\gamma_2)	(59)


ケース4:c_D^2<0.501Dが平均EDc^2=0.5を持つE_2(アーラン)分布を持っているとする。その密度は

		f_D(x)=\gamma^2xe^{-{\gamma}x}x{\ge}0		(60)

である。ただし\gamma=2/ED。関係する裾野確率は

		P(D>x)=e^{-\gamma{x}}(1+\gamma{x})x{\ge}0		(61)


 確定的サービス時間についてはd_s^3=1なので、(50)による最も小さな可能なc_D^2(1+2\rho)/3である。よって、上記ケース4はそれほど頻繁には起こらない。


 最後に、N、システム内の数、の2次モーメントと分散を扱う。M/G/1待ち行列について、E(N^2)を計算することは難しくはない。設備内の定常状態の数は客が設備にいる時間の間の到着数に等しいので、WのモーメントからNのモーメントを計算するのは容易である。例えば、

	E(N^2)=\lambda(EW+Ev)+\lambda^2[E(W^2)+2EWEv+E(v^2)]
		=\lambda{EW}+\rho+\lambda^2E(W^2)+2\lambda\rho{EW}+\rho^2(c_s^2+1)	(62)
そして
		Var(N)=\lambda{EW}+\rho+\rho^2c_s^2+\lambda^2Var(W)		(63)


Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(15)」に続きます。