Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(18)

Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(17)」の続きです。

例えば、個々の客がけっして2回以上どのノードも訪れない場合でさえ巨視的な見方として環状ネットワークを全く適切であると考えるかもしれない。この見方が現実的であるためには、個々の客がネットワーク全体に比較的無視出来る影響しか持たないべきである。


 ここでの手続きは最初にネットワークの平衡の、つまり巨視的な振る舞いを解き、次に特定の客について考慮することである。特定の客はネットワークを通る自分のルートとたぶん道筋に沿ったノードでの自分のサービス時間を持つだろう。インプットが、セクション2.3でのようにクラスとルート毎であるか、セクション2.1でのように標準インプットであるかによって、2つのケースが存在する。


6.3.1 クラスとルート毎のインプット
 最初に、我々はセクション2.3におけるクラスとルート毎のインプットを使用しているとしよう。すると特定の客はインプットで指定された客のクラスに対応する。よって、個々の客はネットワークを通る確定的なルートと、たぶん、ルート上のノードでの特別なサービス時間を持つ。この場合、セクション2.3で述べたように、QNAは最初クラスとルート毎のインプットをセクション2.1の標準インプットに変換する。次にQNAは平衡時の振る舞いを解く。最後に、さまざまなクラスについて混雑尺度は、客が元々指定された特殊なルートをたどるという仮定とルート上のノードへの到着時に客がネットワークの平衡状態の独立なバージョンを見るという過程のもので計算される。よって、セクション2.3の記法で、クラスkに属する客について、期待総サービス時間は

			\Bigsum_{j=1}^{n_k}\tau_{kj}			(85)

であり、期待総待ち時間は

			\Bigsum_{j=1}^{n_k}E(W_{n_{kj}})			(86)

であり、期待総滞在時間、すなわち反応時間は(85)と(86)の合計である。同様に、クラスkの客について総サービス時間の分散は

			\Bigsum_{j=1}^{n_k}\tau_{kj}^2c_{skj}^2		(87)

であり、総待ち時間の変動は

			\Bigsum_{j=1}^{n_k}Var(W_{n_{kj}})		(88)

であり、総滞在時間の変動は(87)と(88)の合計である。


6.3.2 標準インプット
 セクション2.1の標準インプットを用いる場合、ユーザは解析すべき特定の客を指定しなければならない。この場合、ユーザはクラスとル−トとたぶんサービス時間(レートと変動パラメータ)を指定するが、これらのデータは平衡時の振る舞いを計算する際には使用されない。切り離し原則がここではより大きな力で使用される。すなわち、巨視的見方と微視的見方の間のいかなる整合性も必要ない。この追加のインプットはネットワーク全体の平衡時の振る舞いに影響を与えない。


 QNAの現在バージョンでは個々の客のルートは確定的であるので、必要な追加のインプットはちょうどセクション2.3のようであり混雑尺度はセクション6.3.1の(85)から(88)までにあるようである。しかし、確率的ルートを許すようにQNAを改造することは可能である。すると追加のインプットはちょうどセクション2.1にあるようである。すなわち、個々のクラスについてそれはルーティング行列プラス到着過程とサービス時間の諸パラメータから成る。


VII. 謝辞
 ソフトウェア・パッケージQNAはAnne Seeryによって書かれた。彼女はShlomo Halfinによって書かれたM/M/m待ち行列を解析するためのサブルーチンを用いた。この冒険でAnne Seeryと協力することは楽しかった。また私は他の多くの同僚からの助力と私の管理者からの継続的サポートにも感謝する。W. A. Cornell、C. S. Dawson、J. C. Lawson、C. J. McCallum,Jr.、M. Segal、R. E. Thomas、E. Wolman。


著者
Ward Whitt。1964年Dartmouth Collegeで数学でA.B.、1968年、Cornell Universityでオペレーションズ・リサーチPh.D.。1968〜1969、スタンフォード大学、1969〜1977、イェール大学、1977〜ベル研究所。イェール大学で1973〜1977、Whitt氏はAdministrative Sciences and Statstics学科の助教授であった。ベル研究所で彼はNetwork Analysis CenterのOperation Research Departmentにいる。

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