モーメント母関数による平均と2乗平均の求め方

ここではモーメント母関数というものを紹介し、次に、モーメント母関数から確率変数の平均と2乗の平均を求める方法を示します。


任意の確率変数Xを考えます。そのモーメント母関数M_X(z)は以下で定義されます。

  • M_X(z)=E(e^{zX})・・・・(1)
    • ただしE()はカッコ内の確率変数の平均を意味する。


(1)の両辺をz微分すると

  • \frac{dM_X(z)}{dz}=E(Xe^{zX}) ・・・・(2)

(2)でz=0と置くと

  • \left.\frac{dM_X(z)}{dz}\right|_{z=0}=\left.E(Xe^{zX})\right|_{z=0}=E(X)

つまり

  • E(X)=\left.\frac{dM_X(z)}{dz}\right|_{z=0}・・・・(3)

これでモーメント母関数から確率変数の平均を求める方法が明らかになりました。
次に(2)の両辺をさらにz微分すると

  • \frac{d^2M_X(z)}{dz^2}=E(X^2e^{zX})

よって

  • \left.\frac{d^2M_X(z)}{dz^2}\right|_{z=0}=\left.E(X^2e^{zX})|_{z=0}=E(X^2)

よって

  • E(X^2)=\left.\frac{d^2M_X(z)}{dz^2}\right|_{z=0}・・・・(4)

これでモーメント母関数から確率変数の2乗平均を求める方法が明らかになりました。
なお(1)でz=0と置くと

  • M_X(0)=E(1)=1・・・・(5)

となります。