QNA読解:4.1 トラフィック・レート方程式

上位エントリー:Word Whitt: The Queueing Network Analyzerの構成


QNA読解:IV.内部フロー諸パラメータ」の続きです。

 このステップでQNAは個々のノードへの総到着レートを計算する。

とあり、このセクションの中心となる式は「トラフィック・レート方程式」

  • \lambda_j=\lambda_{0j}+\Bigsum_{i=1}^n\lambda_i\gamma_iq_{ij}・・・・(18)

です。
\gamma_iは、読解を省略したセクション2.2「客の生成と組合せ」で登場する客生成の乗数を表わす変数です。しかし「QNA読解:I.導入とまとめ(2)」で客の生成と組合せ(仮定6)については考慮しないとしましたので、私たちの立場では常に

  • \gamma_i=1

と考えることにします。そうすると式(18)は

  • \lambda_j=\lambda_{0j}+\Bigsum_{i=1}^n\lambda_iq_{ij}・・・・(ア)

となります。ここで既知の変数は、ノードjへの外部到着レート

  • \lambda_{0j}

と、ノードiでサービスを終え、次にノードjに行くものの割合

  • q_{ij}

で、未知の変数は、ノードjへ入る総流量

  • \lambda_j

です。
しかし、私たちの立場は「QNAの適用分野として生産ラインを考える立場」ですから、「QNA読解:2.3 クラスとルート毎のインプット(5)」で述べたように、式(ア)を解く必要はなく、クラス毎の入力データから\lambda_jは簡単に計算できます。


さて一旦\lambda_iが求まれば、ノードiの処理時間の平均値\tau_iと装置台数m_iから

  • \rho_i=\lambda_i\tau_i/m_i・・・・・(20)

利用率\rho_iを求めることが出来ます。


QNA読解:4.2 トラフィック変動方程式(1)」に続きます。