QNA読解:4.4 分岐

上位エントリー:Word Whitt: The Queueing Network Analyzerの構成


QNA読解:4.3 重ね合わせ(2)」の続きです。
このセクションの目的はノードiから複数の流れが出て行く場合に(分岐の場合に)、分岐する前の流れの諸パラメータからそれぞれの流れの到着間隔の2乗変動係数c_ai^2を求めることです。

ただし、ノードiを出発するジョブがどの流れに属するかはその都度、確率的に決めます。この決定は他の事象とは独立に行われます。これを論文ではマルコフ的ルーティングと呼んでいます。この問題は、「流れの分岐」で検討した問題に類似しており、「流れの分岐」での結果を拡張することにより容易に解くことが出来ます。以下がその結果です。

パラメータc^2を持つ流れがk個の流れに分岐され、そしてそれぞれが確率p_ii=1,2,...,k、に従って独立に選択されるならば、分岐から得られるi番目の過程は以下で与えられる2乗変動係数c_i^2を持つ。

		c_i^2=p_ic^2+1-p_i			(36)

この式自身は近似式ではありません。しかし、「マルコフ的ルーティング」の仮定自体が、生産ラインにとっては一種の近似です。よって、これも近似的な結果と言えるでしょう。


QNA読解:4.5 出発(1)」に続きます。