How Factory Physics helps simulation:3.ステーション・サイクルタイムの定義


上位エントリー:Charles R. Standridge: How Factory Physics helps simulation 概要
How Factory Physics helps simulation:2.材料保存の法則」の続きです。

Factory Physicsステーション・サイクルタイムの定義は、ステーションでの平均サイクルタイムは、ステーションへの移動、バッファ内での時間、セットアップ時間、処理時間などといったステーションでの作業の各々のコンポーネントに費やされる平均時間を足すことによって得ることが出来ると言明している。
 この法則はシミュレーション・プロジェクトでの使用のために以下のように言い換えることが出来る。ステーションでの総時間は、待ち時間と処理時間と他の非生産時間の合計に等しい。あとの項は通常、修理中であるか他のステーションでタスクを実行して忙しくてリソースが使用不可能であることを含む。この項は特に厄介でシミュレーションはそれを評価することが他に類例をみないほど出来る。これは式(3)で表現される。

  • ステーション時間=待ち時間+処理時間+非生産時間・・・・・(3)

 一例として、複数の半自動ステーションからなるワークセルを考察しよう。セルを稼動させるのに1個フローの原則が使用されている。個々のステーションは3つの処理ステップ、作業者の補助による装置へのロード、作業者の補助なしでの処理、作業者の補助による装置からのアンロード、である。装置にとっての非生産時間はパーツがロードあるいはアンロードの準備が出来ているのにその作業をすることが出来る作業者がいない時に発生する。作業者にとっての非生産時間はパーツを運ぶことなくステーションからステーションへ歩く時間を含む。
 非生産時間はステーションキャパシティを、システム作業を実行不能にする程度にさえ効果的に削減する。実行不能とは、実効処理レートが非生産時間によって通常レートから削減され、到着レートより少なくなっていることを意味する。
 シミュレーションだけが非生産時間を数量化するために使用出来る。複数待ちタスクのための代替作業者優先度のような、非生産時間を削減する可能性のある選択肢を評価することが出来る。


How Factory Physics helps simulation:4.リトルの法則」に続きます。