How Factory Physics helps simulation:4.リトルの法則


上位エントリー:Charles R. Standridge: How Factory Physics helps simulation 概要
How Factory Physics helps simulation:3.ステーション・サイクルタイムの定義」の続きです。

Factory Physicsでは、リトルの法則(Little 1961)は式(4)

  • TH=WIP/CT・・・・・(4)

として、あるいは言葉で、(スループットは長期においてWIPサイクルタイムで割ったものに等しい、と)言明される。Factory Physicsの文脈では、サイクルタイムはシステムに入る時刻とシステムから出る時刻の間の時間として定義される。
 リトルの法則はシミュレーション・スタディでは以下のように使用できる。スループットは一般にエンティティが処理を完了するレートとして考えられている。しかし、[材料の保存の法則]によりスループットはエンティティが到着するレートでもあり、通常、到着間隔時間として表現される。よって、スループットは大部分のシミュレーション・スタディにおいて効果的なパフォーマンス尺度ではない。明白な例外は、スタディの目的がシステムが十分な資本設備あるいは、[ステーション・サイクルタイム定義]での議論で示されたようにすることを割当てられた作業の全てをする他のリソース、を持つかどうかを評価することである場合である。
 サイクルタイム、すなわちシステムにいる時間、とWIPはありふれたシミュレーション実験のパフォーマンス尺度である。しかし、WIPサイクルタイムに対する比は長期間では定数である。よって、結果を描くためにWIPサイクルタイムによって提供される情報は等価である。
 リトルの法則は確認と検証に利用出来る。WIPを減らす意図でのモデルの変更はサイクルタイムをも減らす。もしそうでなければ、モデルが有効でない証拠が存在する。WIPサイクルタイムに対する比は到着レートと大体等しくあるべきである。もしこれらのいずれかが真でなければ、モデルが正しく実装されていないか、有効でないことの証拠が存在する。


How Factory Physics helps simulation:5.変動の緩衝」に続きます。