ボトルネック以外をいくら改善しようが工場のスループットは増えない

ボトルネック以外をいくら改善しようが工場のスループットは増えない」というのは当たり前のことですが(特にゴールドラットTOCに親しんだ人には当たり前のことですが)現実には忘れてしまうことがありますね。日本人は、全員がそれぞれの持ち場で努力する、というが好きで、ボトルネック以外のところを改善したらスループットが少しは増えるだろう、と感覚的に思ってしまいがちだと思います。少なくとも私にはその感覚が染み込んでいます。でも、世の中には、核心を何とかしない限り努力が報われない、というような性質の問題もいっぱいあるわけで、その場合は全員がそれぞれの持ち場で努力するのではなく、核心に努力を集中しなければなりません。
ある工程の装置や作業内容を改善して、今までより短い時間で作業が出来るようになったとします。しかしその工程がボトルネック工程でなければ工場の生産量(=スループット)は増えません。スループットボトルネック工程(一番流れが狭いところ)で決定されているわけだからです。


こう言うと、スループットは改善されなくてもサイクルタイムは改善されるじゃないか! とおっしゃる方もきっとみえるでしょう。はい、そのとおりです。サイクルタイムは改善されます。ですから、非ボトルネック工程の改善は無意味だ、と私は言っているわけではないのです。
でも、スループットの改善にはならないよ、ということをいつも忘れないでおく必要があると(自戒をこめて)考えているのです。これは工場に限った話ではありません。*1

*1:ちょっと数式をいじるのに疲れちゃって、たまにはこんなことも書いてみたいな、と思いました。