複数クラスを持つM/M/m待ち行列(3)

複数クラスを持つM/M/m待ち行列(2)」の続きです。


次に[tex:P*1]を求めてみます。まず

  • [tex:P*2\frac{4}{t_e}=P*3\lambda_1]

よって

  • [tex:P*4=4{\times}\frac{1}{4}P*5u_1]

この右辺に式(30)を用いて

  • [tex:P*6=\frac{4^4}{4!}p_0u_1^4]

これを一般化して

  • [tex:P*7=\frac{4^4}{4!}p_0u_i^4]・・・・・(32)


最後に[tex:P*8]を求めてみます。まず

よって

  • [tex:P*12=4{\times}\frac{1}{4}\{P*13u_2+P((1,2,2)u_1\}]

この右辺に式(25)を用いて

  • [tex:P*14=\frac{4^4}{4}p_0u_1^2u_2^2]

これを一般化して、i{\ne}jの時

  • [tex:P*15=P*16=\frac{4^4}{4}p_0u_i^2u_j^2]・・・・(33)

同様に式(17)

  • [tex:P*17=4^4p_0u_1u_2u_3u_4]・・・・・(17)

を一般化して

  • [tex:P*18=4^4p_0u_iu_ju_ku_m]・・・・・(34)

ただし、i{\ne}ji{\ne}ki{\ne}mj{\ne}kj{\ne}mk{\ne}mとします。


いままでの結果を並べてみます。ただしここでも、i{\ne}ji{\ne}ki{\ne}mj{\ne}kj{\ne}mk{\ne}mとします。

  • 装置が1台処理中の場合
    • [tex:P*19=4p_0u_i]・・・・・(27)
  • 装置が2台処理中の場合
    • [tex:P*20=\frac{4^2}{2}p_0u_i^2]・・・・・(24)
    • [tex:P*21=4^2p_0u_iu_j]・・・・・(28)
  • 装置が3台処理中の場合
    • [tex:P*22=\frac{4^3}{3!}p_0u_i^3]・・・・・(30)
    • [tex:P*23=P*24=\frac{4^3}{2}p_0u_iu_j^2]・・・・・(25)
    • [tex:P*25=4^3p_0u_iu_ju_k]・・・・・(29)
  • 装置が4台(つまり全て)処理中の場合
    • [tex:P*26=\frac{4^4}{4!}p_0u_i^4]・・・・・(32)
    • [tex:P*27=tex:P*28=\frac{4^4}{3!}p_0u_iu_j^3]・・・・・(31)
    • [tex:P*29=P*30=\frac{4^4}{4}p_0u_i^2u_j^2]・・・・(33)
    • [tex:P*31=P*32=P*33=\frac{4^4}{2}p_0u_iu_ju_k^2]・・・・・(26)
    • [tex:P*34=4^4p_0u_iu_ju_ku_m]・・・・・(34)


これらを眺めて気づくのは、本来

  • [tex:P*35=\frac{4^2}{2!}p_0u_iu_j]・・・・・(35)
  • [tex:P*36=\frac{4^3}{3!}p_0u_iu_ju_k]・・・・・(36)
  • [tex:P*37=\frac{4^4}{4!}p_0u_iu_ju_ku_m]・・・・・(37)

であり、クラスの並べ方の違うものを1つの状態にまとめたので上記のように複雑になったのではないか、ということです。ちょっと分かりにくいので例を出します。[tex:P*38]の場合、状態\{(i,j,k)\}

  • \{[i,j,k]\}\{[i,k,j]\}\{[j,i,k]\}
  • \{[j,k,i]\}\{[k,i,j]\}\{[k,j,i]\}

の6つの状態を合わせたものと考えられ、この1つ1つが式(36)で与えられる確率を持つと考えるわけです。そうするとこの6つ(=3!)の状態の確率の合計は式(29)に一致します。さらに[tex:P*39]の場合は、状態\{(i,j,j)\}

  • \{[i,j,j]\}\{[j,i,j]\}\{[j,j,i]\}

の3つの状態を合わせたものと考えられ、この1つ1つが式(36)で与えられる確率を持つと考えれば、この3つの状態の確率の合計は式(25)に一致します。同様な考え方が装置が2台処理中の場合にも4台処理中の場合にも成り立ちます。


とすれば、最初の状態の定義の仕方をもう少し工夫すると、状態確率がきれいに(クラスが等しい場合と等しくない場合に分けることなく)表すことが出来そうです。ではどのように状態を定義すればよいのでしょうか?


複数クラスを持つM/M/m待ち行列(4)」に続きます。

*1:1,1,1,1

*2:1,1,1,1

*3:1,1,1

*4:1,1,1,1

*5:1,1,1

*6:1,1,1,1

*7:i,i,i,i

*8:1,1,2,2

*9:1,1,2,2

*10:1,1,2

*11:1,2,2

*12:1,1,2,2

*13:1,1,2

*14:1,1,2,2

*15:i,i,j,j

*16:j,j,i,i

*17:1,2,3,4

*18:i,j,k,m

*19:i

*20:i,i

*21:i,j

*22:i,i,i

*23:i,j,j

*24:j,j,i

*25:i,j,k

*26:i,i,i,i

*27:i,j,j,j

*28:j,j,j,i

*29:i,i,j,j

*30:j,j,i,i

*31:i,j,k,k

*32:i,k,k,j

*33:k,k,i,j

*34:i,j,k,m

*35:i,j

*36:i,j,k

*37:i,j,k,m

*38:i,j,k

*39:i,j,j