アテナイ人の国制 アリストテレス
- 作者: アリストテレス,村川堅太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1980/05/16
- メディア: 文庫
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私がこの本を買った理由は、アテナイ(アテネ)の神話時代と歴史の間をつなぎたかったからです。私はアテナイに限らずギリシア神話の世界とギリシアの歴史の世界をうまくつなぎたいと長い間考えてきました。そして、この本がその願いを少しかなえてくれるかな、と思って買ったのでした。そしてその願いは、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけかないました。本当にほんのほんの少しです。(そういう目的の本ではなかったのです。)
どれだけか? これだけです。
アテナイ人はコドロスの子孫が贅沢に耽り柔弱であると思われたので、もはや彼らの間から王を選ばなかった。ところがコドロス家の一人ヒッポメネスはかかる非難を除こうと思い、その娘のレイモネと相手の姦通者の一緒のところを捕え、相手の男は車に繋いで殺し、娘は一匹の馬と一緒に監禁して遂に死に至らしめた。
役人のうち最も重く古いものは「王」とポレマルコスとアルコンであった。これらのうち最も古いのは王の役で(これは祖先伝来の制度であった)、次に王たちのうちに軍事に耐えぬ柔弱な者が出た結果ポレマルコスの役が加わった。必要に迫られてイオンを招いたのもこのためであった。最後にできたのはアルコンの役で、多くの人々はメドンの時にできたと言うがアカストスの時にできたと言う者もあり、その証拠として九人のアルコンがアカストスの時と同様に誓約を行おうと誓うことを挙げ、この人の時コドロスの子孫が王位を退き、その代わりにアルコンにいろいろの特権が与えられたという。両説のいずれにしてもたいして時代の違いはない。
アテナイは最初、王制だったのですが、いつしか貴族制に、そして民主制に移っていきました。王制が廃止されたのがアカストスが王の時だというのですが、このアカストスというのはどんな王であったのか、さっぱり分かりません。アカストスについてはこの記述があるだけです。最初の引用のヒッポメネスの記事は、同じ時期の頃と思われます。
大多数の人にはどうでもよいことですが、テーセウス以降のアテナイ王の一覧を挙げておきます。
- テーセウス
- その子、デーモポーン
- その子、オクシュンテース
- その子、アペイダース
- その弟、テューモイテース
- このテューモイテースがメラントスに王位を譲った
- メラントス
- その子、コドロス
- その子、メドン (以上高津春繁著「ギリシア・ローマ神話辞典」より)
- (この間に別の王がいるのかどうか分からない)
- アカストス(メドンとの親族関係が分からない。コドロスの子孫ではあるという)(この本「アテナイ人の国制」より)
さてアカストスののち、アテナイにどんなことが起ったのか、それも知りたいです。でも、手がかりがありません。
ああ、マニアックな話になってしまった。
そうそう、マニアックな話ついでに、ソローンや哲学者プラトーンは、コドロスの子孫ということです。
- 作者: 高津春繁
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1960/02/25
- メディア: 単行本
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