法華経(上)

宗教文献について何か言うのはちょっと覚悟(?)が入ります。それを崇拝している人のことを考えればあまり変なことを書いてはいけなさそうですし、それを崇拝していない人のことを考えると、ご利益めいた話を話を書いても共感されないだろうし・・・。なら、書かなければいいんですが・・・・・。なぜか私はこの「私の本棚」で自分の本棚の中の本を順番に取り上げたいと思っているのです。で、順番からいくと今度は岩波文庫法華経、上中下、になるのです。はい。


私は法華経を読むと元気になります。普段はあまり読みませんが。
この岩波文庫版の法華経の(上)には

  • 序品
  • 方便品
  • 譬喩品
  • 信解品
  • 薬草喩品
  • 授記品

が納められています。今日は、最初の序品を少しだけご紹介します。
法華経の最初の最初は、お釈迦様の前にみんな集まって話を聞こうとしているところの描写から始まります。それが並みの集まり方ではないのです。

ある時、仏は王舎城耆闍崛山の中に住したまい、大比丘衆、万二千人と共なりき。皆、これ阿羅漢にして・・・
 また、学・無学の二千人あり・・・・

武道館公演なみか。



いやいや、人間以外の存在も集まっています。

菩薩・摩訶薩八万人あり、皆、阿耨多羅三藐三菩提において退転せず・・・・

オバマ大統領就任式なみか。

 その時、釈提桓因*1は、その眷属二万の天子と共なり。また名月天子、普香天子、宝光天子、四天王ありて、その眷属の天子と共なり。
 自在天子大自在天子は、その眷属三万の天子と共なり。娑婆世界の主たる梵天*2、尸棄大梵、光明大梵等は、その眷属万二千の天子と共なり。

そんなに一箇所に集まれるのか。神だから何とかなるのか。ネットでライブを見ているのか・・・・。まだ、このほかにも八竜王、キンナラ王、ケンダッパ王、阿修羅王、カルラ王、それぞれ「百千の眷属」を引き連れて参加しています。それからこの世の人間である

 韋提希(イダイケ)の子阿闍世(アジャセ)王は、若干の百千の眷属と共なり


これだけの人間と人間以外の者たちがみんなお釈迦様に注目している、という光景です。この時、お釈迦様は

大乗経の無量義、菩薩を教える法、仏に護念せらるるもの

を説き終わり、瞑想に入ったところでした。みんなが注目しています。さて、どんなパフォーマンスが飛び出すか?

 この時、天は曼陀羅華、摩訶曼陀羅華、曼殊沙華、摩訶曼沙華を降らして仏の上および諸々の大衆に散じ、あまねく仏の世界は六種に震動す。

 集まった者たちはこれに驚き、喜び、

合掌して一心に仏を観たてまつる。

さて、その次は・・・・・・。というふうに、法華経はなかなかドラマチックなのです。今日のところはここまで。