Marshallの公式に向けて(2)

Marshallの公式に向けて(1)」の続きです。
n番目とn+1番目のジョブ(=客)の出発間隔をD_nとします。(D_nはすでに図1、2に記入してあります。)

  • 図1

図1からW_n+B_n{\ge}A_nの時、

  • D_n=B_{n+1}・・・・・(8)

であることが分かります。

  • 図2

図2から[tex:W_n+B_n

  • D_n=B_{n+1}+\{A_n-(W_n+B_n)\}・・・・・(9)

であることが分かります。(9)は

  • U=B-A

すなわち(上の式は下の式を簡易的に書いたものだと解釈しました)

  • U_n=B_n-A_n・・・・・(10)

を用いれば

  • D_n=B_{n+1}+\{A_n-(W_n+B_n)\}=B_{n+1}-(W_n+U_n)・・・・・(11)

ここで、

  • Y=-\min(0,W+U)

すなわち

  • Y_n=-\min(0,W_n+U_n)・・・・・(12)

を用いれば、図2の場合は[tex:W_n+B_n

  • W_n+B_n-A_n<0
  • W_n+U_n<0

となり、(11)を

  • D_n=Y_n+B_{n+1}

と書き換えることが出来ます。一方図1の場合はW_n+B_n{\ge}A_nなので

  • W_n+B_n-A_n{\ge}0
  • W_n+U_n{\ge}0

となり、(8)をやはり

  • D_n=Y_n+B_{n+1}

と書き換えることが出来ます。よって図1、2の両方の場合について

  • D_n=Y_n+B_{n+1}・・・・・(13)

となります。ここでB_{n+1}は装置の処理時間を表していますから、到着間隔A_nとは確率的に独立ですし、一つ前の装置処理時間B_nとも待ち時間W_nとも独立です。よってY_nB_{n+1}も互いに独立になります。よって

  • Var(D)=Var(Y)+Var(B)・・・・・(14)

Marshallの公式に向けて(1)」の式(7)

  • Var(Y)=Var(U)-2E(-U)EW・・・・・(7)

を(14)に代入して

  • Var(D)=Var(U)+Var(B)-2E(-U)EW・・・・・(15)

次に式(10)から

  • E(-U)=E(A)-E(B)・・・・・(16)

また、同じ(10)から、B_nA_nは独立なので

  • Var(U)=Var(A)+Var(B)・・・・・(17)

(15)に(16)(17)を代入して

  • Var(D)=Var(A)+2Var(B)-2[E(A)-E(B)]EW・・・・・(18)

ここで定義から

  • E(D)=E(A)=\frac{t_e}{u}

なので、この2乗で(18)の両辺を割ると

  • \frac{Var(D)}{E(D)^2}=\frac{Var(A)}{E(A)^2}+2\frac{u^2}{t_e^2}Var(B)-2\frac{u}{t_e}\left[1-\frac{E(B)}{E(A)}\right]EW

さらに定義から

  • \frac{Var(D)}{E(D)^2}=c_d^2
  • \frac{Var(A)}{E(A)^2}=c_a^2

なので

  • c_d^2=c_a^2+2\frac{u^2}{t_e^2}Var(B)-2\frac{u}{t_e}\left[1-\frac{E(B)}{E(A)}\right]EW

さらに

  • E(B)=t_e
  • E(A)=\frac{t_e}{u}
  • \frac{Var(B)}{E(B)^2}=c_e^2

なので

  • c_d^2=c_a^2+2u^2c_e^2-2u(1-u)\frac{EW}{t_e}・・・・・(6)

これで式(6)を導くことが出来ました。