M/G/∞の出発過程がポアソン過程であることの証明の試み(2)

M/G/∞の出発過程がポアソン過程であることの証明の試み(1)」の続きです。
こんなことを考えてみました。


M/G/∞待ち行列の中からある装置を取り出して、これを装置Aとします。その装置のほかにもう1台、装置を取り出します(これを装置Bとします)。装置Aが処理中の時に装置Bが処理中である条件確率を考え、これをpで表すことにします。待ち行列内の装置は皆、同等なので装置AやBの選び方に関わらずpは同じ値になると考えられます。装置Aを選び、それが今、処理中である時、他の装置(無限台あります。)が処理中かどうかを考えますと、装置Bとして無限台の装置のどれを選んでもよいことになりますので、p=1でない限り、どれかの装置は空いていることになりそうです。

  • ここで装置Aが処理中の時、装置Bが処理中である事象と、AでもBでもない装置Cが処理中である事象が独立であれば、簡単に以下のことが言えます。
    • 無限台の装置のうち、処理中であるのはpの割合で、空いているのは1-pの割合である。
  • しかし、装置BとCが処理中であるかどうかは必ずしも独立とは言えないでしょう。そうすると、無限台ある全ての装置が処理中である確率はゼロである、と言うことは難しくなってしまいます。この困難をどう解決したらよいのか、まだ私には分かっていません。


もし、p<1ならば、無限台ある装置のうち、空きの装置が必ず存在するのでジョブが到着した際、待たずに処理に入ることが出来ます。
もし、p=1ならば、無限台の装置は常に同時に処理中になり、同時に空きになることになります。そうすると、ジョブはデタラメに到着しますので、全てが空いている時に到着する可能性があります。その場合その直後には、1台の装置だけが処理中になることになりますので(無限台分のジョブが同時に到着するわけではないので)p=1という仮定に反することになります。よってp<1
よって、ジョブは待たずに処理を開始することになります。


以上で、「M/G/∞の出発過程がポアソン過程であることの証明の試み(1)」の

  • a) M/G/∞では、ジョブは待つことはない

を証明出来たように一見、見えますが、上記の

p=1でない限り、どれかの装置は空いていることになりそうです。

というところが論理として正しくありません。もっと考えてみます。


M/G/∞の出発過程がポアソン過程であることの証明の試み(3)」に続きます。