ローマ亡き後の地中海世界(上)

読み終わりました。で、読後感ですが・・・。
イスラム海賊に虐められるイタリア・フランスの話が延々と続く。暗い時代の話。ローマ帝国の後継帝国たるビザンチンも、ちょっとごまかして後継を名乗った神聖ローマ帝国も、イスラムに対してはこんなに弱かったかしら・・・と思いました。神聖ローマ帝国はともかくビザンチンは12世紀にマヌエル1世コムネノスが現れて最盛期になったはず(「ビザンツ 幻影の世界帝国」による)ですが、そんな話は登場しません。

それは「ローマ亡き後の地中海世界」ではイタリアに注目しているからかもしれません。ですので、登場するのは、ヴェネツィア、ピサ、ジェノヴァアマルフィというイタリアの通商国家群、それから法王庁、そして神聖ローマ帝国皇帝兼両シチリア王のフリードリッヒ2世(イタリア読みではフェデリーコ2世)。


いろいろ初めて知ることも多く勉強になるのですが、中心になる人物がいないので、ユリウス・カエサルの時やアウグストゥスの時のようなおもしろさには欠けるように思いました。中世は難しい。