「サイバネティックス」という本の「第3章 時系列、情報および通信」(10)
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ここまでで第3章の前半の読解を終えました。しかし、もうこれ以上はどうにも進めません。私には数式が難しくて、いったい何がどんな意図で書かれているのかよく分からないのです。それで、本当に上っ面をなぜるようにして残りの部分を進みます。
まず、こんな問題をウィーナーは提示しています。
単純なブラウン運動の系列から、できるだけ一般的な時系列をつくりあげようとするのはひじょうに興味のある問題である。
そして
そのような構成において、(3.44)のような式がこの目的に都合のよい構成要素を示していることが、フーリエ展開の例から示唆される。そのためにとくに
(3.46)のような特殊な形をもった時系列を研究しよう。
と言っています。なんか(3.46)で表わされる時系列のクラスが重要らしいです。
それから式のいろいろな変形が出てくるのですが、何を目的としているのか私には分かりません。それでも記述を追いかけていって結論らしき文章は以下だと見当をつけました。
したがってもし時系列が(3.46)の形でかかれ、かつも既知であるとするならば・・・・・(3.46)における函数と数とを・・・・決定することができる。
しかし、一体何をもとにしてと数を決定するのでしょうか? 理解出来ていません。さらにこんなことも書かれています。
・・・・われわれはとにかく、時系列のある大きな類を標準形に帰着させる問題の解決に少なくとも最初の一歩をすすめたのであって、これは、本章の始めに概説した予測の理論や情報の測定の理論を具体的に応用するのに最も重要なことである。
私としては「ああ、そうですか」と言うほかはありません。
さらに
それでもまだ、時系列理論に対する上のような近づき方には明らかな制限があり、これは取除かなくてはならないものである。・・・・・すなわち既知の統計的パラメターをもった時系列を、ブラウン運動によって決定できる、あるいは少なくともブラウン運動によって決定される時系列の何らかの意味での極限としてあらわしうるのは、如何なる条件のもとにおいてであろうか?
そして、その後の記述も私にはさっぱり分かりません。この部分のまとめの言葉は次のものです。
このようなことは、われわれがすでに研究しつくしたものではなく、むしろ将来において完成すべきプログラムと考えなければならぬ。しかし著者の考えでは、これは、非線形予測、非線形濾波、非線形の状況下での情報伝達の評価、濃厚な気体や乱流の理論等に関連した多くの問題を合理的に矛盾なく取り扱うのに最も有望であろうと思われるプログラムである。
ここでも私は「ああ、そうなんですか」と言うことしか出来ません。
- 非線形って難しそうだけれど、きっとおもしろいんでしょうね。
この次からは予測の理論の叙述が始まるのですが
さて(3.34)の形の時系列の予測問題を論じよう。
とあって、対象となる時系列は今まで検討してきた(3.46)の時系列ではなく、それより単純な(3.34)、すなわち「(8)」で登場した
- ・・・・・(15)
の形の時系列です。(3.46)の形の時系列についての話は以降、登場しません。