仕事するのにオフィスはいらない

この本を読んでノマディック・モナド(=遊牧民的・単子)という言葉が頭に浮かんできて、そのまま居座っています。この本の副題にあるノマドワーキングという考え方が今の自分にフィットしたのでした。

 ノマドという言葉をご存知でしょうか?
 日本語に直訳すれば、「遊牧民」。北アフリカの砂漠や中央アジアの草原で、羊や牛を追って生活している彼らが、ノマドです。
 ・・・・・
 でも本書で語るノマドは、遊牧民のことではありません。
 遊牧民ラクダという砂漠で最強の乗り物を駆り、オアシスからオアシスへとどうしながら生活しているように、狭苦しいオフィスを出て、さまざまな場所を移動しながら働いている人たちです。
 言ってみれば「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」といったワークスタイルを実践している人達のことです。


その例として挙げられている人々の1人がロケットスタート(通称ロケスタ)という会社に勤める村上さん。

 村上さんはいま、渋谷に近いマンションでひとり暮らしをしながら、日々プログラミングに邁進しています。
 昼間はミーティングなどであちこちの会社に出かけており、プログラムを書くのは基本的に夜中です。
 その時間になると、彼はバッグにノマド道具を詰め込んで、自宅を出ます。自宅では仕事はしません。インスピレーションが沸かないからです。・・・・・・
 この荷物の入ったバッグを担いで、村上さんは渋谷から山手線に乗り込みます。
 「今日はどこのカフェにしようか」
 その日の気分で電車を降り、いつも立ち寄っているカフェに入り、席を見つけてパソコンを開いて仕事を始めます。

・・・・う〜む、大変そうな。

 ただマクドナルドはちょっと椅子が硬くて座りづらく、ゆっくり座りたい時には彼はスターバックスエクセルシオールカフェに向かいます。

 さて、そうやって夜中じゅう、ずっと山手線沿線のカフェを移動しながら仕事をしていると、
 「おお、神が降りてきた!」
と感じる瞬間が村上さんにはあるそうです。急にアイディアが怒涛のようにひらめき、仕事が瞬く間に進む瞬間。・・・・

ちょっと、うらやましそうな。ノマド遊牧民。強ければそれもあり、かな。


私がムリムリくっつけたモナドのほうは哲学者ライプニッツモナドジーからの連想です。彼は個々人の精神のことを形而上学的な点、分割不可能な点、としてモナドと呼んでいるのですが、私がここでこの言葉を引っ張り出してきたのは、遊牧民として生きていくならば強い個が必要だろうな、と思ってモナドになぞらえたからです。


都会を遊牧して生きる人々。何となくあこがれます。ここ伊勢には・・・・スタバなんかないよ!


あと、気になった箇所

 ビル・ゲーツのような成功者をたくさん取材したブルックスは、成功した人たちには2つの大きな能力があることに気づきました。
 まず第1に、「明日は今日よりもずっと良くなる。そしてわたしは明日を実現するパワーを持っている」という強い信念を持っていること。・・・・・
 そして第2にブルックスが挙げたのが、成功者はアテンションを意識的に集中させる驚異的な能力を持っているということでした。

著者がこの箇所で強調したかったのは2番目のほうなのですが、私は1番目の「明日は今日よりもずっと良くなる」信念のほうに反応してしまいました。