つなぎの式の導出(7)

つなぎの式の導出(6)」の続きです。


ここでは、「つなぎの式の導出(3)」で提示した仮定B

  • 仮定B
    • GI/G/mにおけるc_d^2の近似式は(1)
      • c_d^2{\approx}u^2c_e^2+(1-u^2)c_a^2・・・・・(1)

と同じ形の式になる。ただし(1)におけるc_e^2c_e(m)^2におきかえる。つまり

      • c_d^2{\approx}u^2c_e(m)^2+(1-u^2)c_a^2・・・・・(19)

の正当性を探っていきます。


これは、処理時間の変動係数としてc_eを持つGI/G/m待ち行列を、処理時間の変動係数としてc_e(m)を持つGI/G/1待ち行列で近似する、
ことを意味します。c_e(m)c_eの関係は「つなぎの式の導出(3)」の仮定Aに出てきたように

  • c_e(m)^2{\approx}1+\frac{1}{sqrt{m}}(c_e^2-1)・・・・・(18)

です。また、ここでは顕わに出て来ていませんが、GI/G/mにおける処理時間の平均値t_eがGI/G/1では

  • t_e(m)=\frac{t_e}{m}・・・・・(34)

で置き換えることになります。さもなければGI/G/mとGI/G/1で装置の利用率が異なってしまいます。

  • 図10

さてGI/G/m待ち行列からの出発過程の変動係数が、処理時間の平均値を式(34)で、そして処理時間の変動係数を式(18)で、置き換えたGI/G/1待ち行列からの出発過程の変動係数で近似出来るものでしょうか?
 そのあたりを調べていきます。


u{\rightar}1の時にGI/G/mからの出発過程の変動係数c_e(m)になることは「つなぎの式の導出(6)」での考察から明らかです。GI/G/1でも式(19)からu{\rightar}1c_d^2{\rightar}c_e(m)^2になるので両者のc_dは一致します。また、u{\rightar}0の時にGI/G/mからの出発過程の変動係数は、「つなぎの式の導出(1)」でのGI/G/1における考察と同様に考えればc_d{\rightar}c_aになることが分かります。式(19)でもu{\rightar}0c_d^2{\rightar}c_a^2になるので両者のc_dは一致します。
このようにu{\rightar}1の時、u{\rightar}0の時に両者は一致するのですが、そうでない場合、たとえばu=0.5付近では両者の値が近いのかどうかはよく分かりません。u=0.5付近の場合に図10のようにGI/G/m待ち行列をGI/G/1待ち行列で近似することの正当な理由をいろいろと考えてみましたが、理由付けになるようなものを見つけることが出来ませんでした。


中途半端ですが、これで「つなぎの式の導出」を終わります。