1.2.2.複数サービス・センター:Quantitative System Performance

1.2.1.単一サービス・センター」の続きです。

1.2.2.複数サービス・センター


 今日のコンピュータ・システムを、図1.1のモデルを用いるために必要であった2つのパラメータで特徴づけることは想像しづらいことである。(しかし、実際、これは1960年代のより単純な日々には何回も成功したことであった)。図1.3は、個々のシステム・リソース(この場合、1つのCPUと3台のディスク)が別々のサービス・センターによって表現されている、より現実的なモデルを示している。


 このモデルのパラメータは前のモデルのパラメータと類似している。我々は、負荷強度を指定しなければならず、これはやはり客が到着するレートである。我々はまた、サービス要求時間を指定しなければならないが、今回は各々のサービス・センターについての個別のサービス要求時間を提供する。もしモデル内の客を、システム内のトランザクションと対応させて見るならば、負荷強度はユーザがトランザクションを受け付けるレートに対応し、各々のサービス・センターでのサービス要求時間はシステム内で対応するリソースでのトランザクションあたりの総サービス要求時間に対応する。(図中でラインによって示されているように、客は到着し、サービス・センター間を巡回し、そして出発するものと考えることが出来る。しかしセンター間での巡回のパターンは重要ではなく、各々のセンターでの総サービス要求時間が問題である。) 例えば、5秒毎に1回のレートでトランザクションが到着することと、そのような各々のトランザクションがCPUで平均3秒のサービスを要求し、3つのディスクでそれぞれ1,2,4秒のサービスを要求することを指定することが出来る。単一サービス・センターの場合と同様に、特定のパラメータ値について若干の単純な方程式を解くことによってこのモデルを評価することが可能である。我々の例のパラメータ値について(後述する若干の仮定の下で)性能尺度は

(我々は一貫して滞在時間を客がサービス・センターで費やす時間を意味するものとして、応答時間を認知されるシステム応答時間の直感的記述に対応するものとして用いることにする。待ち行列ネットワーク・モデルから得られるほとんどの性能尺度は分布情報(例えば、応答時間の90%MAX)であるよりもむしろ平均値(例、平均応答時間)である。よって省略されていても「平均」という言葉が入っていると考えるべきである。)


1.3. 待ち行列ネットワーク・モデルの定義、パラメータ値決定、評価」に続きます。