プルースト「失われた時を求めて――コンブレー」を読書中(7)

今日は215ページまで。
今までの登場人物の裏面が少し見えます。忠実なお手伝いのフランソワーズは自分より目下の者には冷淡であることが叙述されます。また、貴族社会に対して毒舌を吐くルグランダン氏は、実は貴族と会話することにあこがれていて、ある城館の女主人と並んで歩いているのを、主人公の家族に目撃されます。しかも、その時ルグランダン氏はその時、主人公の家族たちに対して、知らないふりをしました。つまりは、ブルジョワ階級の友達がいることをその女主人に知られたくなかったのです。それらは主人公に割り切れない思いを抱かせたようです。