8.3.パラメータの獲得:Quantitative System Performance

8.2.フロー等価サービスセンターの作成」の続きです。(目次はこちら

8.3.パラメータの獲得


 FESCの仕様を指定するのに必要なパラメータは可能なキュー個体数の関数としての個々のクラスについての負荷依存処理レートである。前述のように、レベルlモデルについてのレートは通常、対応するレベルl+1モデルの解から得られる。しかし、レベルl+1モデルを評価することが出来る多くのさまざまな方法が存在する。

  • 測定:若干の場合、総体にしたサブシステムを観察することが、そして存在する客の数の関数としてのそのスループットを得ることが可能であるだろう。例えば、チャネル/ストリングのスループットのペアを、そのストリングへの未処理の要求の数の関数として測定することが出来るであろう。次にこれらの測定されたスループットはFESCの処理レートを設定するのに直接用いられるだろう。
  • 待ち行列ネットワーク・モデル:レベルlFESCは負荷独立サービスセンター(そしてたぶん若干のFESCはより下のレベルのモデルの解によって処理レートが設定されている)からなる待ち行列ネットワークとしてレベルl+1で表現可能であろう。このレベルl+1モデルは解析的に評価可能であり、その解から予測されるスループットはレベルlFESCの処理レートを設定するのに用いることが出来る。
  • シミュレーション:もし総体の若干の側面が解析的に評価するのを困難にしているならば、要求される負荷依存スループットを得るために総体のシミュレーションを実行することが出来る。
  • 特殊目的解析手法:複雑なI/Oサブシステムのような特定のサブシステムに特有のモデルを開発し解析的に解くことが出来る。これらのモデルの出力は負荷依存スループットであり、次にそれは次に高いレベルで必要なFESCを定義するために使用されるであろう。

ほとんどの場合我々は一般に待ち行列ネットワーク・モデルを使用することを推奨するのと同じ理由で、FESCのパラメータを決めるために待ち行列ネットワーク・モデルを使用することを推奨する。つまり、妥当な精度と使いやすさの組合せである。さらに、この方法はFESCをパラメータ化するのに必要なC\prod_{c=1}^C(N_c+1)個全てのレートを低レベル・モデルの唯一の解で作成するという圧倒的な利点を持っている。(厳密MVA解法アルゴリズムは個体数\vec{N}での解を得ることの副産物として0から\vec{N}までの全ての個体数についての解を生成することを思い出そう。)
 レベルlFESCのパラメータを得たならば、今や我々はレベルlモデルを評価しなければならない。このモデルは単にレベルl-1FESCを定義する低レベル・モデルの1つであるので、この解析を遂行するために前のテクニックのどれでも使用出来ることは明白である。しかし、上にあらましを述べた理由により、2番目の方法(待ち行列ネットワーク・モデル)を用いるのが一般的である。次のセクションではこのテクニックを適用する過程をより詳細に考察する。