「メディチ家の人びと」を読みました。
ここ数日、メディチ家の人びと
メディチ家の人びと―ルネサンスの栄光と頽廃 (講談社学術文庫)
- 作者: 中田耕治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/07
- メディア: 文庫
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を読んでいました。以下は読書メモです。
- 1.メディチ家の登場
- メディチ家が始めて歴史に登場した1216年から国父コシモ・デ・メディチ(1389〜1469)までのメディチ家の歴史。コシモ・デ・メディチの記述が短いのが残念。
- 2.大ロレンツォ
- 3.パッツィ家の陰謀
- 4.大寺院の惨劇
- 5.ロレンツォの死、不運のピエロ
- 6.ローマ劫略
- 7.ロレンザッチオの悲劇
- 8.コシモ大公
- 9.幼ない恋の悲劇
- コシモ1世は最愛の長女マリーアが、自分に仕える少年マラテスタと抱擁しているのを見て激昂する。
- マリーアは泣きながら、父の足もとに身を投げて、恋人の命乞いをした。両親の叱責は自分にむけられるべきもので、マラテスタの身におよばないように哀願した。
- このときのコシモのような父親の心理は、ほとんど想像を絶している。彼は激昂して、「お前はローマの父の仕置きをうけるのだ」といい放つと、剣をとって、マリーアを引き据え、その心臓部に剣を刺した。もはや常軌を逸した乱心であった。悲鳴をあげた娘の胸もとから剣を引きぬくと、手もとを返して、少年に斬りつけた。少年は危うく身を躱したが、愛するマリーアの死体のうえに折り重なって卒倒した。
- 10.アベルとカイン
- コシモ1世と息子たちの狩。そこで息子の1人ガルツィアは兄ジョヴァンニのからかいの言葉に激昂し、思わず山刀で兄を刺し殺してしまう。それを知ったコシモ1世は
- ガルツィアは喪心状態で、地面にすわりこんでいた。
- コシモは神に祈った。ほとんど失神しているガルツィアに寄ると、その頭上で十字を切った。そして声をかけた。
- 「わが家にカインはいらぬ」
- つぎの瞬間、剣をふるってガルツィアの心臓を刺した。
- 11.ルクレツィアの死
- 12.もう一人のエレオオーラ
- コシモ1世は妃エレオノーラの姪にあたる少女エレオノーラを引き取って養育した。コシモ1世は放蕩息子ピエロにエレオノーラとの結婚を命じる。しかし、エレオノーラはすでに妊娠していてその子の父親はコシモ1世自身であった。これを口実に益々放蕩に走るピエロ。そんな境遇のエレオノーラはある時初めて、本当の恋を知る。しかし、この恋はコシモ1世の長男フランツェスコ摂政に知られることになり、相手の男は処刑された。ピエロはエレオノーラを殺した。
- 13.スタンダールへの挨拶
- コシモ1世の三女イザベッラ・ローモラが政略結婚でパオロ・ジョルダーノ・オルシーニと結婚した。パオロとコシモ1世のちょっとした仲違いから2人の結婚生活は悲劇となり、2人は外に奔放な恋を求める。最後にパオロはイザベッラの仲を修復しようと見せかけてイザベッラを殺す。
- 14.絶世の美女ビアンカ
年代記はつたえている。
「このご仁、あらゆる美徳を欠いていながら、みごとな統治能力をもち、人間らしい高貴さをもたずに、ひたすら誇りを抱いていた」と。
- 16.ペレグリーナの密通
- 17.美少女の運命
- コシモ1世の側近ルイジ・ディ・メッセル・マーゾ・デッリ・アルビッツィにはエレオノーラという名の美しい娘がいた。コシモ1世はそれに目をつけ、ルイジも自分の一門の栄達を期待してエレオノーラをコシモ1世の側室に出す。このことでコシモ1世はすでに実権を握っていた息子フランチェスコ大公に攻撃され、父子は険悪な仲になる。やがてエレオノオーラはコシモ1世の子を産む。最初は女の子だったが、次に男の子を産む。しかし、その頃からコシモのエレオノーラへの愛情は冷める。法王ピオ4世がエレオノーラを離別すればトスカーナ大公国の創設を認めると言ってきたからだ。これはエレオノーラの息子に大公位を奪われる可能性をおそれたフランチェスコ大公の差し金だった。念願のトスカーナ大公国のためにコシモはエレオノーラを捨てる。そして彼にはすでに新たな興味の対象たる美女カーミラがいたのだった。エレオノーラは最終的には修道院に幽閉されてしまう。エレオノーラはメディチ家の人間に忘れられたまま90歳ちかくまで修道院で過ごして死んだ。