11.4.1.バイアスのあるプロセッサ・シェアリング:Quantitative System Performance

11.4.優先度スケジューリングのバリエーション」の続きです。(目次はこちら

11.4.1.バイアスのあるプロセッサ・シェアリング


 バイアスのあるプロセッサ・シェアリングは、より高い優先度のクラスの客がいる時に、他のクラスを完全に排除するのではなく1つのクラスにより長いバースト(「量子」)を与えることによってそのクラスをひいきにするような状況を表している。よって、相対優先度は個々のクラスに関係づけられ、個々の客は自分のクラスの相対優先度に比例したレートでサービスを受ける。例えば、クラスAとBの相対優先度がそれぞれ2と1であるならば(より大きな数字はより高い優先度を示す)、個々のクラスの1つの客がサービスを巡って争うならば、クラスAの客は、センターに自分だけいた場合に進むレートの2/3のレートで進むであろう。2つのクラスA客と1つのクラスBでは、個々のクラスA客はそのフル・レートの2/5で進む一方、1つのクラスB客はそのフル・レートの1/5で進むであろう。
 このタイプのスケジューリングのための見積り技法を、MVAアルゴリズムの滞在時間方程式のもうひとつの修正によって得ることが出来る。

  • R_{c,k}(\vec{I}){\approx}D_{c,k}\left[\frac{\pi_c+\Bigsum_{i=1}^C\pi_iQ_{i,k}(\vec{I-1_c})}{\pi_c}\right]

ただし\pi_iはクラスiの相対優先度である。カッコ内の分数は、センターでの個々のクラスの客数の我々の期待値に基づいて、個々のクラスc客がサービスを受けるレートの、単なる逆数である。


11.4.2.目標指向スケジューリング」に続きます。