11.9.演習:Quantitative System Performance

11.8.参考文献」の続きです。(目次はこちら

11.9. 演習

1.

  • デュアル・システムの単一クラス・モデルを考察しよう。CPUでのサービス要求時間は8秒(個々のプロセッサはこのサービスの一部を提供している)であり4台のディスクの各々でのサービス要求時間は2秒である。単一客クラスは Z=20秒の端末タイプである。
  • a.
    • デュアル・プロセッサを1台の速い(サービス要求時間が4秒の)プロセッサとしてモデル化して得られる結果と、セクション11.2の(サービス・レートがキューに客が1つの時に0.125で、キューに客が2つ以上の時に0.250であるような)FESCの方法を用いて得られる結果を比較せよ。オンライン・ユーザが5名、10名、20名の場合について解を求めよ。(FESCと端末クラスに対応出来るように拡張された、第18章のMVA実装を用いよ。)
  • b.
    • 3つの個体数についてのあなたの解は(a)での「1台の速いプロセッサ」の精度について何を示しているか? 仮に構成が2台のプロセッサでなく4台のプロセッサを含んでいたとしたらこの方法はどの程度うまくいくとあなたは予想するか?

2.

  • セクション11.3は、割込み優先度CPUスケジューリングをモデル化するための技法を開発した。これを基礎として用いて、非割込み優先度スケジューリングをモデル化するための技法を開発せよ。非割込み優先度の下では、CPUで処理中のジョブは、そのバーストの間により優先度の高いジョブが到着したにしてもサービス・バーストの全てを受け取る。そのサービス・バーストが完了した時に、最も優先度の高い待っているジョブが次のサービス・バーストのために選ばれる。

3.

  • 1台のCPUと4台のディスクから成る単純な会話用コンピュータ・システムを考察しよう。ディスクはFCFSでスケジュールされており、ユーザは自分のI/Oブロック・サイズ、つまり、個々のアクセス時にファイルとメイン・ストレージの間を転送するバイト数、を選ぶことが出来る、と仮定する。システムの測定は、75%のユーザは1ディスク訪問あたり32ミリ秒のサービス時間をもたらすブロック・サイズを選び、25%は1ディスク訪問あたり44ミリ秒のサービス時間をもたらすサイズを選んでいることを示している。
  • a.
    • ブロックサイズに基づいて2つのクラスに分けられる、全部で24名のオンライン・ユーザが存在すると仮定しよう。両方のクラスは20秒の考慮時間を持ち、4秒のCPUサービスと4台のディスクのそれぞれに平均100回のアクセスを要求する会話を持っている。セクション11.5の技法を用いて個々のクラスの応答時間を見積れ。
  • b.
    • (a)から得られたスループットの値を用いて、個々のディスクでのI/O動作あたりの平均サービス時間を計算せよ。この値を用いて単一クラスの「平均」ユーザを持つシステムのモデルを構築せよ。このモデルは標準平均値解析技法を用いて見積り可能である。
  • c.
    • (a)の2クラス・モデルでの総平均応答時間を計算せよ。(クラスの応答時間はそのスループットで重み付けしなければならないことを思い出そう。)あなたの結果を(b)で得られた応答時間と比較せよ。クラス依存サービス時間を持つFCFSスケジューリングのシステム性能への影響についてこれは何を告げているか?
  • d.
    • 75%のユーザが12ミリ秒のディスク・サービス時間を持ち、25%が116ミリ秒のディスク・サービス時間を持つという仮定のもとで(a)から(c)を繰り返せ。あなたの結果を前、得られた結果と比較せよ。コンピュータ・システムのモデルにおいてサービス時間変動を反映することの大切さについてこれは何を告げているか?
  • e.
    • 単一クラス・モデルに戻って、セクション11.6の技法を用いて個々のディスクにおける「平均」ジョブの高サービス時間変動をモデル化せよ。これを行うためには、ディスクでのサービス時間の変動を見積もる必要がある。もし、総アクセスのpの割合がS_1時間単位を要求し、1-pの割合がS_2時間単位を要求するならば、平均サービス時間SpS_1+(1-p)S_2に等しく、サービス時間の変動の合理的な見積もりは
      • 変動=p(S_1-S)^2+(1-p)(S_2-S)^2
    • である。ディスクサービス時間の元々の集合と(d)の修正した集合について応答時間を計算して、これらを先に得られた結果と比較せよ。さまざまな見積もりの差をあなたはどのように説明するか?

4.

  • 単一クラス、分離可能待ち行列ネットワーク・モデルにおけるスケジューリング規律の扱いを議論せよ。

5.

  • 複数クラス、分離可能待ち行列ネットワーク・モデルにおけるスケジューリング規律の扱いを議論せよ。

6.

  • 我々は4つの文脈でFCFSスケジューリングを考察してきた。つまり、単一クラス分離可能モデルと、複数クラス分離可能モデルと、サービス時間の変動が高い単一クラスとクラス依存サービス時間を持つ複数クラスである。これらを比較し対照せよ。


第12章 既存システム」に続きます。