13.2.2.作業負荷要素の特性の変更:Quantitative System Performance

13.2.1.負荷強度の変更」の続きです。( 目次はこちら

13.2.2.作業負荷要素の特性の変更


 アプリケーション・プログラムの変更は客のリソース要求の変化をもたらすだろう。そのような変更はサービス要求時間を調整することによってモデル内に表現されるだろう。3つの例が以下の段落で与えられる。
 あるアプリケーション・プログラムが、それが受け取る入力データの妥当性と一貫性をよりチェックするように改造することが提案されている。この変更はトランザクションのCPUパス長を20%増加させると予測される。この改造の主要効果はトランザクションのCPUサービス要求時間を20%増加させることによってモデル内に表現出来る。
 あるアプリケーションによって逐次に処理されるファイルが占有するスペースを削減するためにデータ圧縮技術を導入することが提案されている。そのアプリケーションが転送するデータは減少するが、そのCPU要求時間は増加する(圧縮形式から非圧縮形式へデータを変換し、元に戻すために)。モデル内にこの修正を表現するために、適切なディスクでのサービス要求時間のデータ転送要素は減少されるべきであるが、CPUでのサービス要求時間は増加されるべきである。
 アプリケーションが使用するファイルの構造を変更することが提案されている。初めは、ファイルは3階層のインデックスを持っており最上位階層はメモリ内に保持されていた。任意のレコードをアクセスするのに必要なI/O回数は3、つまりインデックス・ブロック2つプラスそのレコード自身であった。新しい構成はハッシング基づき、それは1レコード・アクセスあたりの平均I/O回数を約1.5に減少させることが期待されている。この改造の主要効果は適切なディスクでの訪問回数を半分にすることでモデル内に表現出来る(これがそのクラスによるそのディスクの唯一の使用であると仮定して)。この改造の副次効果はそのディスクでのサービス要求時間のシーク要素の増加であろう。というのはハッシング技術は、インデックス編成では存在したであろう参照の局所性をなくしてしまうからである。