14.1.導入:Quantitative System Performance

13.9.演習」の続きです。( 目次はこちら

14.1. 導入


 先の2つの章では既存システムと改善されたシステムの待ち行列ネットワーク・モデルのパラメータ値決定について検討した。この章では、提案するシステム、つまり設計や実装中である大部分が新規のシステムやサブシステムのモデルを考察する。
 設計と実装の過程はコストと性能の間の絶え間ないトレードオフを含んでいる。さまざまな選択肢の性能関連事項の数量化はこの過程の中心である。それはまた極度に取り組みがいのあるものである。既存システムの場合、測定データが使用可能である。修正システムの場合、想定される修正はしばしば単純であり(例えば、製品種目の内部の新しいCPU)、ベースライン・モデルの妥当性を確認する際に限られた実験が可能であるだろう。提案するシステムの場合、これらの利点が存在しない。この理由から、それは勘と経験による性能予測に頼りたくなり、そして勘と経験による予測は全てかなりの誤差があることがあまりにしばしば判明する。その結果は大変なことであり得る。というのは性能とは、信頼性のように、追加されるものではなくむしろ最善に設計されるものであるからである。
 近年、提案するシステムの性能を予測するための一般的枠組を発展させることにおいて進歩があった。待ち行列ネットワーク・モデルが中心的な役割をはたして、ソフトウェア・エンジニアリングと性能評価からのアイディアの合流がなされてきた。セクション14.3で我々は、提案するシステムの性能をよく理解するために必要な要素の若干を、一般的な環境で検討する。セクション14.4で我々は2つの特定の方法を説明する。


14.2.背景」に続きます。