15.2.コンピュータ通信ネットワーク(2):Quantitative System Performance

15.2.コンピュータ通信ネットワーク(1)」の続きです。( 目次はこちら

  • 図15.2 SNAフロー制御のクローズド・モデル ((c)1982 IEEE


 図15.2のモデルは現実的ではあるが、ペーシング・ボックスの普通でない特定のため分離可能ではない。モデルは第8章に記述した大域バランス法を用いて直接評価出来るであろう。しかし、モデルの規模が大きい可能性があるため、この方法は一般には実行不可能になっている。実現可能な選択は、これも第8章で記述したが、ソースと行先と中間ノードを現す M個のセンターをFESCで置き換えることである。この結果出来る図15.3の3ノード・モデルはやはり分離不可能であるが、大域バランスが実際的になるのに充分なくらい小さい。

  • 図15.3 メッセージ・パスを表現しているFESC ((c) 1982 IEEE


 FESCの負荷依存サービス・レートは通常のしかたで評価される。クローズドであり、各々がサービス要求時間 Dを持つノードを表現するM個のセンターからなる分離可能モデルは、1から2W-1までのそれぞれの実現可能なメッセージ個体数について評価される。スループットが決定され、FESCを定義するために使用される。一旦これが達成されると、平衡状態確率を得るために、大域バランス方程式を書いて、それらを数値的に評価することは面倒であるが単純である。これらの確率はシステム・スループットとFESCでの平均待ち行列長をもたらす。次に平均応答時間を決定するためにリトルの法則を適用することが出来る。
 このモデル化方法によってなされた1つの仮定は、ノードを通過する交通量は考慮対象のソースと行先の組によるものだけである、ということである。この非現実的な仮定は、FESCの負荷依存サービス・レートを見積るために用いた分離可能モデルを修正することによって除去出来る。1つの方法として、もし各ノードで他のソース/行先の組による交通量が知られているならば、それは、考慮対象のソース/行先の組に関係するメッセージの進行を、その存在が邪魔しているようなオープン・クラスとして表現出来、その結果FESCレートは減少する。
 詳細なシミュレーションとの比較は、この単純なモデルか方法がよい精度をもたらすことを示している。


15.3.ローカル・エリア・ネットワーク」に続きます。