17.3.RMFレポートの概要(1):Quantitative System Performance

17.2.MVSの概要」の続きです。(目次はこちら

17.3.RMFレポートの概要


 第12章ではソフトウェア・モニタについて一般的に記述した。RMFはシステム稼動の間に少量のオーバヘッド(通常、2%から3%)で情報を記録するソフトウェア・モニタである。RMFはサンプリングイベント記録の組合せを用いている。たとえば、さまざまなリソースでの待ち行列長の分布はサンプリングで決定されるが、一方、物理的I/O操作回数(SIO)はイベント記録によって蓄積される。
 RMFは多くの標準レポートを生成する。これらのレポートは我々の目的に必要であるよりずっと多いデータを提供する。表17.1(これは4つの部分に分割される)は、我々の例のシステムについてのさまざまなRMFレポートから抜粋した若干の関係するデータ項目を示している。以下の数段落ではさまざまなレポートの内容を手短に説明する。
 表17.1aに短縮された形で示されたCPU Activity ReportはCPUとその使用量に関する情報を提供する。それは観測期間の長さと、CPU型式番号と、CPUがアイドルであった時間のパーセント(WAIT TIME PERCENTAGE)と平均TSOユーザ数(TSO AVG ASIDS)と、さまざまな仕方でブレークダウンされたCPU待ち行列長分布(表には示されていない)を含む。

  • CPU Activity
    • INTERVAL 60分
    • CPU MODEL 0470
    • WAIT TIME PERCENTAGE 32.09%
    • TSO AVG ASIDS 78.5

表17.1a RMF CPU Activity report

 RMFは常に全部で100になるパーセンテージで表現することに注意(例えば表17.1aにおいて.3209ではなくて32.09)。我々はCPUビジー時間を

  • B_{CPU}=INTERVAL{\times}(1-(WAIT\underline{\;}TIME\underline{\;}PERCENTAGE/100))

で計算するだろう。


 表17.1bに短縮された形で示されたChannel Activity Reportは2つの部分からなる。最初のものは個々の物理的チャネルについてレポートし、そのタイプと、活動の量(CHANNEL ACTIVITY COUNT、観測期間中の総操作数)、と稼動率と、他の数量を示す。2番目のものは個々の論理的チャネルについてレポートし、それに対応する物理的チャネルとその活動レート(操作回数/秒の単位で測定されたもの)とその待ち行列長分布(表には平均待ち行列長のみが示される)を示す。I/Oサブシステムでの混雑によって待たされた要求のパーセンテージと、そのような待ちの責任のあるコンポーネントについての情報もまた存在する。

  • 表17.1b RMF Channel Activity Report


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