17.6.サービス要求時間(1):Quantitative System Performance

17.5.センターの記述」の続きです。(目次はこちら

17.6.サービス要求時間


 負荷強度パラメータとともに、測定データから導かれなければならない最も重要な値は個々のセンターでの客クラスのサービス要求時間である。これを行う際の最も困難なステップはCPUとI/Oのビジー時間を客クラスに割当てることである。これはRMFデータのみを使うと粗くのみ行うことが出来る。ビジー時間をより正確に分配するために他の情報源、例えば、System Management Facility (SMF)やGeneralized Trace Facility (GTF)からの補足情報が必要である。しかしここでの議論のためにはRMFデータのみが利用可能であると仮定する。
 第12章で我々は帰着出来ないCPU活動(セクション12.5.1)とI/O活動(セクション12.5.2)を客クラスに割当てるいくつかの方法を示した。これらの方法が要求する基本の数量は表17.3(CPU)と17.4(I/O)に示すようにRMFから利用可能である。もしRMFがSRB INTERVAL SERVICE(セクション17.3参照)を報告するのであれば、これは帰着されるCPU活動を計算する際にCPU INTERVAL SERVICEに加算されるべきであることに注意しよう。また、デバイス毎とクラス毎へのほとんどの物理I/Oの分解は、ここではRMFに我々は限っているが、あるタイプのSMFレコードの分析によって得られることにも注意しよう。

測定されたCPUビジー時間

  • B_{CPU}=
    • INTERVAL{\times}(1-(WAIT\underline{\;}TIME\underline{\;}PERCENTAGE/100))

クラスに帰せられるCPUビジー時間

  • A_{c,CPU}=\frac{CPU\underline{\;}INTERVAL\underline{\;}SERVICE_c}{CPU\underline{\;}SERV\underline{\;}DEF\underline{\;}COEF{\times}CPU\underline{\;}speed\underline{\;}factor}
    • ただしCPU_speed_factorはモデルによって決められる。

クラス毎のスワッピング・オーバヘッド・ファクタ

  • SW_c=NUM\underline{\;}OF\underline{\;}SWAPS_c

表17.3 CPU活動割当てのためのRMF項目

ディスク・デバイス・ビジー時間

  • B_k=INTERVAL{\times}(\%\underline{\;}DEVICE\underline{\;}BUSY_k/100)

バイス毎の物理I/O回数

  • P_k=DEVICE\underline{\;}ACTIVITY\underline{\;}COUNT_k

クラス毎の論理I/O回数

  • L_c=\frac{IOC\underline{\;}INTERVAL\underline{\;}SERVICE_c}{IOC\underline{\;}SERV\underline{\;}DEF\underline{\;}COEF}

表17.4 I/O活動割当てのためのRMF項目


 CPUとI/Oの活動を客クラスに帰着させた後、個々のクラスの個々のデバイスでのサービス要求時間はセンターでクラスに帰着されるビジー時間をそのクラスについて観測された完了数(ENDED TRANSACTS)で割ることで計算される。
 以下で例のシステムを扱うために使用する、CPU活動割付のための2つの方法は2つの極端を表している。TSOオーバヘッド・ファクタは確かにBATCHのファクタより大きいが、それは2つのクラスについて報告されるスワッピング活動の率によって示されるほど確かに大きくはない。


17.6.サービス要求時間(2)」に続きます。