条件付き期待値の定理(2)

では昨日の「条件付き期待値の定理」での

  • E[Y]=E[E[Y|N] ]・・・・(1)

の証明をを、Yが連続確率変数の場合に拡張します。


条件確率の定義により

  • [tex:Pr\{y{\le}Y

ここでy確率密度関数

  • [tex:f(y)=Pr\{y{\le}Y

を考えます。さらにN=nという条件下でのy確率密度関数

  • [tex:f(y|N=n)=Pr\{y{\le}Y

を考えます。さらにYNの結合確率密度関数

  • [tex:g(y;n)=Pr\{y{\le}Y

を考えます。
そうすると条件確率の定義(2)は以下のようになります。

  • f(y|N=n)dy=\frac{g(y;n)dy}{Pr\{N=n\}

よって

  • f(y|N=n)=\frac{g(y;n)}{Pr\{N=n\}・・・・(6)

になります。よって

  • g(y;n)=f(y|N=n)Pr\{N=n\}・・・・(7)

ところで

  • [tex:Pr\{y{\le}Y

となります。ただし、\BigsumNのとる可能な値全てについての和をとります。(8)に(3)と(5)を用いると

  • f(y)dy=\Bigsum_{n}g(y;n)dy

よって

  • f(y)=\Bigsum_{n}g(y;n)・・・・(9)

となります。(9)に(7)を代入して

  • f(y)=\Bigsum_{n}f(y|N=n)Pr\{N=n\}・・・・(10)

となります。ところでE[Y|N=n]は定義から

  • E[Y|N=n]=\Bigint_{-\infty}^{\infty}yf(y|N=n)dy・・・・(11)

です。またE[E[Y|N] ]は、これも定義から

  • E[E[Y|N] ]=\Bigsum_nE[Y|N=n]Pr\{N=n\}・・・・(12)

となります。これも\BigsumNのとる可能な値全てについての和をとります。
(12)に(11)を代入すると

  • E[E[Y|N] ]=\Bigsum_n\Bigint_{-\infty}^{\infty}yf(y|N=n)dyPr\{N=n\}=\Bigsum_n\Bigint_{-\infty}^{\infty}yf(y|N=n)Pr\{N=n\}dy

ここで(10)を用いれば

  • E[E[Y|N] ]=\Bigint_{-\infty}^{\infty}yf(y)dy=E[Y]

よって式(1)が証明出来ました。