M/D/1とD/M/1の到着時状態分布の比較

M/D/1とD/M/1の定常状態分布の比較」では、さまざまなuの値におけるM/D/1待ち行列とD/M/1待ち行列定常状態確率の分布を比較しました。今度は、両者のジョブ到着直前の状態分布を比較します。M/D/1の場合、PASTAによって定常状態分布とジョブ到着直前分布は等しくなりますが、M/D/1ではPASTAを適用出来ませんので、両者は異なる分布になります。

  • u=0.1の場合
  • u=0.2の場合
  • u=0.3の場合
  • u=0.4の場合
  • u=0.5の場合
  • u=0.6の場合
  • u=0.7の場合
  • u=0.8の場合
  • u=0.9の場合


一番特徴的なのは、D/M/1では\pi(0)1-uより大きいことです。例えば、u=0.9の場合、任意の時点で観測して装置が空いている確率は1-0.9=0.1ですが、ジョブ到着時に装置が空いている確率は上のグラフから0.2あることが分かります。これは、ジョブが定期的に到着するので、ジョブが到着する頃には処理が完了している確率が高くなるからです。逆にM/D/1の場合は、ジョブがランダムに到着するので、処理が完了した頃にちょうどジョブが到着する、という事象が少なくなるのです。