M/D/s待ち行列の定常状態分布の近似(1)
ということを述べました。M/D/sで「装置が全部空いていない」状態とは、システム内にジョブが個以上ある状態ということになります。上に述べた文章の意味を考えれば、このような状態の時、との関係はM/D/1の場合のとの関係とほぼ等しい、ということになります。
「M/D/1の定常状態分布の近似式」では
- ・・・・(1)
- ただしは定数
(「M/D/1の定常状態分布の近似式」の式(29)参照。ここでは番号を振り直して式(1)としました。)で近似出来ることを
示しました。そうであればM/D/sの場合、であるようなについて
- ・・・・(2)
が言えることになります。そうすると
- の時
- ・・・・(3)
となり、ジョブが到着した時に装置が全てふさがっているのを見る確率、すなわち待ち確率は、その定義から
よって
- ・・・・(4)
となります。ここから
- ・・・・(5)
となり、式(5)と式(2)から
- の時
- ・・・・(6)
となります。さらに「M/G/sの待ち確率Πの近似(6)」で示したように
なので当然
- ・・・・(7)
よって、式(6)は
- の時
- ・・・・(8)
となります。
の値は「M/D/1の定常状態分布の近似式」の式(39)(ここでは番号を振り直して式(9)とします)にあるように
- ・・・・(9)
で求めることが出来ます。