平均値解析法(3)

平均値解析法(2)」の続きです。
これらのことから、平均値解析法を組み立てることが出来ます。
1.

  • まずw=1の場合を考えます。この場合、どのステーションでも待ち時間が発生しないので、各ステーションでのサイクルタイム
    • CT_k(1)
  • を容易に求めることが出来ます。

2.

  • 次にCT_k(1)とラウティングからシステム全体のサイクルタイムCT(1)を求めることが出来ます。

3.

  • さらに、式(5)
    • TH(w)=\frac{w}{CT(w)}・・・・(5)
  • を用いてシステム全体のスループットTH(1)を求めることが出来ます。

4.

  • TH(1)とラウティングから各ステーションでのスループットTH_k(1)を求めることが出来ます。

5.

  • こうしてCT_k(1)TH_k(1)が求まったので、式(4)
    • CT_k(w)=\left(TH_k(w-1)*CT_k(w-1)+1\right)t_{ek}・・・・(4)
  • を用いて
    • CT_k(2)
  • を求めることが出来ます。

あとは上の2に戻って2から5までをCT_k(1)などをCT_k(2)などに置き換えて実行すれば、CT_k(3)が求まり、同様に繰り返すことによって、任意のwについてCT_k(w)TH_k(w)CT(w)TH(w)を求めることが出来ます。これが平均値解析法です。この平均値解析法を用いることでCONWIPを採用する工場のサイクルタイムやスループットを求めることが出来ます。
とはいえ、この方法には制限があります。それは第1に、すべての装置処理時間が指数分布でなければならない、ということであり、第2に、すべてのステーションが1台の装置しか持てない、ということです。