6匹の竜に乗って

易経のどこかに、6匹の竜に乗って何とか、という威勢のよいフレーズがあったよなあ、あれ、見たいなあ、と思っていたら、なんと一番最初に出ていました。乾(ケン)のところでした。

大いなるかな乾元! 万物資(と)りて始む。すなわち天を統ぶ。雲行き雨施し、品物形を流(し)く。大いに終始を明らかにし、六位時に成る。時に六竜に乗り、もって天を御す。乾道変化して、おのおの性命を正しくし、大和を保合するは、すなわち利貞なり。庶物に首出して、万国ことごとく寧(やす)し。


大哉乾元 萬物資始。乃統天。雲行雨施、品物流形。大明終始、六位時成。時乗六龍、以御天。乾道變化、各正性命、保合大和、乃利貞。首出庶物、万国咸寧。



易経 乾 彖伝」


意味はよく分からないが、とにかく威勢がいい。「時に六竜に乗り、もって天を御す。」 チャンスの時に6匹の竜の上に乗り、天(運)をコントロールする、という意味だろうか?
しかし、そもそも乾(ケン)とは何か? 6つのビットがみんな1なんだよね。そうそう、乾(ケン)とは天のことだった。でも同時に龍でもある。とにかくポジティブなもの。6匹の龍はこの六本の横棒なんだが、これに乗っかるにはどうしたらよいのだろうか?


「文言伝」にはこう書かれています。

乾元は、始にして亨るものなり。利貞は、性情なり。乾始は能く美利をもって天下を利し、利するところを言わず、大なるかな。大なるかな乾や、剛健中正、純粋にして精なり。六爻発揮して、旁(あまね)く情を通ずるなり。時に六竜に乗じて、もって天を御するなり。雲行き雨施して、天下平らかなるなり。


乾元者、始而亨者也。利貞者、性情也。乾始能以美利利天下、不言所利、大矣哉。大哉乾乎、剛健中正、純粋精也。六爻發揮、旁通情也。時乗六龍、以御天也。雲行雨施、天下平也。

「乾始は能く美利をもって天下を利し、利するところを言わず、大なるかな。」 いいですね。