は到着客の待ち確率(delay probability)と呼ばれる量で、客(ジョブ)が到着した時に装置が空いておらず、待たなければならなくなる確率を意味します。装置が台ある待ち行列で、ジョブが到着する時に待ち行列システムにジョブが 個存在する確率をで表すと、
- ・・・・(1)
となります。ところで、M/M/s待ち行列の場合、到着分布はポアソン分布なのでPASTAを用いることが出来て、上記のジョブが到着する時の確率は、単純に時間平均での確率に読み替えることが出来ます。つまり、ジョブが到着する時に待ち行列システムにジョブが個存在する確率は、待ち行列システムに ジョブが個存在する(時間平均での)確率に等しくなります。よってM/M/s待ち行列におけるをで表すと
- ・・・・(2)
になります。は「M/M/mにおける待ち時間の式の導出(2)」で示したように
- の時
- ・・・・(3)
- の時
- ・・・・(4)
ただし
-
- は装置利用率
- ・・・・(5)
です。(2)と(4)から
よって
- ・・・・(6)
式(6)に(5)を代入して
- ・・・・(7)
ここでの時のを求めておきましょう。
の時は、
よって
- ・・・・(8)
の時は、
よって
- ・・・・(9)
の時は、
よって
- ・・・・(10)
となります。