GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(6)

今ならChaothonさんの質問に答えられると思う。(2)」では、M/G/s待ち行列の定常状態確率の近似式を示しましたが、「GI/G/s待ち行列の平均待ち時間の近似式(11)」でのGI/G/s待ち行列の平均待ち時間CT_q(GI/G/s)の近似式

  • CT_q(GI/G/s)\approx\frac{c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u]}{2}\frac{\Pi(M/M/s)}{s(1-u)}t_e・・・・(1)

が判明した成果を踏まえて、待ち行列の定常状態確率の近似式をGI/G/sの場合まで拡張できないか検討することは、そういえば、途中で頓挫していたのでした。どこで頓挫したかというと「GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(2)」のところです。

・・・・・・さて、ここから先が詰まってしまいました。もし

  • \Omega_{GI/G/s}{\approx}\Pi_{M/M/s}・・・・(19)

を言うことが出来ればCT_qの近似式を得ることが出来るのですが、式(19)が言えるのかどうか、今の私には分かりません。


GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(2)

その後、上の引用部の式(19)が一般には成り立たない(M/G/sならば成り立つ)ことが「GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(3)」や「GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(4)で明らかになりました。それでも無理やり式(19)を認めてGI/G/sの定常状態分布の近似式を提示することに意味があるのかどうか、もう一度、考えてみたいと思います。
また、「GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(2)」の式(15)では(ここでは番号を振り直して式(2)とします)CT_q(GI/G/1)

  • CT_q(GI/G/1)=\frac{c_a^2+c_e^2}{2}\frac{u}{1-u}・・・・(2)

としているのですが、上記式(1)と整合を取るならば

  • CT_q(GI/G/1)=\frac{c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u]}{2}\frac{u}{1-u}・・・・(3)

としなければなりません。この点も改善したいと思います。


GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(2)」に沿って考えると

  • CT_q{\approx}\frac{b}{1-b}t_e・・・・(4)

でした。よって

  • \frac{b}{1-b}=\frac{c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u]}{2}\frac{u}{1-u}・・・・(5)

よって

  • \frac{1-b}{b}=\frac{2(1-u)}{(c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u])u}
  • \frac{1}{b}-1=\frac{2(1-u)}{(c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u])u}
  • \frac{1}{b}=\frac{2(1-u)}{(c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u])u}+1=\frac{2(1-u)+(c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u])u}{(c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u])u}
    • =\frac{2-(2-c_a^2-c_e^2[c_a^2(1-u)+u])u}{(c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u])u}
  • b=\frac{(c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u])u}{2-(2-c_a^2-c_e^2[c_a^2(1-u)+u])u}・・・・(6)

となります。
さて、ここからどう攻めましょうか?