平均待ち時間

  • これは私のここ3年の研究の成果です。

任意のジョブ到着間隔分布を持ち(ただし、到着間隔は互いに独立の同一分布を示す)、任意の処理時間分布を持ち、複数台の装置を持つ待ち行列を考えます。待ち行列の長さには制限がないものとします。

この場合、ジョブの平均待ち時間CT_qは、正確には求めることが出来ませんが、近似的には以下の式で求めることが出来ます。ただし、下の式において、c_aは到着間隔の変動係数(=標準偏差を平均値で割ったもの)、c_eは処理時間の変動係数、t_eは処理時間の平均値、sは装置の台数、uは装置の利用率、です。

  • CT_q\approx\frac{c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u]}{2}\cdot\frac{u^{\sqrt{2(s+1)}-1}}{s(1-u)}t_e・・・・(1)

この式は、到着間隔分布が指数分布で、かつs=1の時には正確な式になります。


式(1)より精度の高い式は、計算が式(1)より面倒になりますが、

  • CT_q\approx\frac{c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u]}{2}\cdot\frac{1}{s(1-u)}\cdot\frac{\frac{(su)^s}{s!(1-u)}}{\Bigsum_{k=0}^{s-1}\frac{(su)^k}{k!}+\frac{(su)^s}{s!(1-u)}}t_e・・・・(2)

になります。式(2)は、到着間隔分布が指数分布で、かつs=1の時には正確な式になります。また、s>1であっても到着間隔分布と処理時間分布の両方が指数分布の時には正確な式になります。式(2)は

  • CT_q\approx\frac{c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u]}{2}\cdot\frac{s^{s-1}u^s}{s!(1-u)^2}\cdot\frac{1}{\Bigsum_{k=0}^{s-1}\frac{(su)^k}{k!}+\frac{(su)^s}{s!(1-u)}}t_e・・・・(3)

と書くことも出来ます。


式(1)(2)の根拠については以下を参照下さい。