平均待ち行列長
「平均待ち時間」と「定常状態分布」のつづきです。ここでは、任意のジョブ到着間隔分布と、任意の処理時間分布を持つ待ち行列について、平均待ち行列長を推定する近似値を紹介します。
「リトルの法則」
を用います。WIPに平均待ち行列長を割当てると、サイクルタイムが平均待ち時間となります。スループットは、少し考察すると
- ・・・・(11)
であることが分かります。よって、平均待ち行列長をで表すと
- ・・・・(12)
であることが分かります。ここで「平均待ち時間」の式(1)を用いると
- ・・・・(13)
式(1)の代わりに式(3)を用いると
- ・・・・(14)
ここで「定常状態分布」で用いた式(6)
- ・・・・(6)
のを用いれば
- ・・・・(15)
と表すことも出来ます。逆に式(13)が成り立てば式(1)が成り立つことも、式(14)あるいは(15)が成り立てば式(3)が成り立つことも、論理を逆にたどることで言うことが出来ます。
さて次に、「定常状態分布」で提示した定常状態分布
- [tex:k
- ・・・・(4)
- の場合
- ・・・・(5)
と式(15)の整合性について示します。まず、平均待ち行列長はその定義から
- ・・・・(16)
となります。この式と式(5)から
よって
- ・・・・(17)
ここで「補足」の式(2)により
よって式(17)は
- ・・・・(18)
ここで「定常状態分布」の式(7)
- ・・・・(7)
を代入すると
よって式(15)
- ・・・・(15)
に一致します。ここから、
- [tex:k
- ・・・・(4)
- の場合
- ・・・・(5)
と「平均待ち時間」の式(3)
- ・・・・(3)
とも整合性がとれていることが分かります。