GI/G/sの待ち確率Πを求めて(3)
「GI/G/sの待ち確率Πを求めて(2)」の最後で私はD/D/1待ち行列の定常状態確率について
さらに「定常状態分布」の式(4)(5)
- [tex:k
- ・・・・(4)
- の場合
- ・・・・(5)
も、D/D/1では
- の場合
- の場合
つまり
- の場合
- ・・・・(44)
- の場合
- ・・・・(45)
となり、さらに式(45)はの場合との場合に分けて考えれば
- の場合
- ・・・・(44)
- の場合
- ・・・・(46)
- の場合
- ・・・・(47)
となり、これもまたD/D/1のの値として妥当な値を示しています。
と書いたのですが、改めて「定常状態分布」を見ると
- ・・・・(7)
と書いておりました。D/D/1ですからかつです。これらを式(7)に代入すると、
になります。それでは、「GI/G/sの待ち確率Πを求めて(2)」での問い
・・・・間違っていたのはを求める式(27)
- ・・・・(27)
である、とも考えることが出来そうだからです。
では式(27)の代わりにどのような式を構成すればよいのでしょうか? まだ私には分かりません。
については、式(27)の代わりに式(7)を用いればよいのでしょうか?
ところがこれはうまく行きません。たとえば、M/D/sの場合、式(7)は、、なので
- ・・・・(48)
となりますが、「GI/G/sの待ち確率Πを求めて」の式(26)
- ・・・・(26)
に式(48)を代入すると
- ・・・・(49)
となってしまいます。ところがM/D/sはM/G/sの特殊な場合ですから「ジョブ到着時に、全ての装置がふさがっている確率」の式(24)
- ・・・・(24)
が成り立つはずです。よって式(49)は正しくありません。ということはに式(7)を用いることは、少なくとも式(26)に用いることは間違っていることになります。
では、この問題はどのように解決したらよいでしょうか? 私が考えたのは、
- ・・・・(26)
で出てくるの代わりにと置き、はとは別のものと考えることです。
- ・・・・(50)
そもそもは「定常状態分布」のGI/G/sについてのの式
- の場合
- ・・・・(5)
のを与えるものとして求められました。そこで、これと式(50)に出てくるとは意味が違うものである、ただし処理時間分布が指数分布(M)の場合には両者が一致する、と考えることにしました。