バッファ・マネジメントについて(9)

バッファ・マネジメントについて(8)」での考察を、工場サイクルタイムをいろいろ変化させて行ってみました。その結果を下のグラフに示します。

必要総在庫数はその定義上、常に自然数でなければなりません。それと対照的に、工場内の製品数の平均と製品在庫内の製品数の平均は、小数点以下があってもかまいません。(グラフで「工場内」、「製品在庫内」と示しているのが、それぞれ工場内、製品在庫内の製品の数の平均を表しています。) 必要総在庫数自然数でなければならないために、製品在庫内の製品個数の平均は、工場サイクルタイムが増加しても減少する箇所があります。しかし、大きな目で見れば、やはり、工場サイクルタイムが増加すれば製品在庫内の製品個数の平均も増加する傾向にあります。


上のポアソン過程の場合と比較するために、需要が一定間隔で発生する場合のグラフも示しておきます。この場合、基本的には製品在庫内に製品は不要なのですが、工場内の製品個数の平均が小数点以下を持つ場合があるので、そして必要総在庫数自然数なので、その差を埋めるために若干の製品個数が存在することになります。


上のグラフと比較すると、需要が変動することにより、(品切れを防ぐためには)製品在庫内に製品を持たなければならない(つまり「在庫を確保しておかなければならない」)ことが見てとれます。