GI/G/s待ち行列の待ち時間分布を求めて(3)
「GI/G/s待ち行列の待ち時間分布を求めて(2)」の続きです。
では、いろいろな、、の値について式(8)
- ・・・・(8)
で求めたの値と式(11)(12)
- ・・・・(11)
- ・・・・(12)
で求めたの値を比べてみます。
の値として0, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5, 0.6, 0.7, 0.8, 0.9, 1.0を
の値として0, 0.5, 1, 1.5, 2を
の値として0, 0.5, 1, 1.5, 2を
考えてみます。
まず、明らかなのはどちらの方式でを求めてもの時はとなることです。また、かつの場合はの場合を除いて、どちらの方式でもになり一致します。
の場合はどちらの方式でも分母がゼロになり、計算が出来ません。の時は、であっても両者の値は比較的一致しています。以下は、、つまりD/M/1の場合です。
以下は、の場合です。
の時には、両者の値が厳密に一致することはすでに述べました。
以下は、の場合です。
問題になるのはの場合です。この場合、両者の値の差が若干大きくなります。
以下は、の場合です。
以下は、の場合です。
以下は、の場合です。
このように両者の値は一致しない場合もあるので、どちらがよりよい近似なのか調査しなければなりません。ところでこの式(11)(12)を私はWhitt教授の「Queueing Network Analyzer」(「Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(13)」参照)を読んで知ったのですが、「Queueing Network Analyzer」ではこれは、W. Kraemer and M. Langenbach-Belz,「Approximate Formulae for the Delay in the Queueing System GI/G/1(待ち行列システムGI/G/1における遅延についての近似公式)」Congressbook, Enghth Int. Teletraffic Cong., Melbourne, 1976, pp. 235-1/8.からの引用、と書いています。この論文が無料でダウンロード可能なことを最近発見しました。
この近似式の根拠を理解するために、この論文を読むことにします。