『「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式」の内容検討(1)』『(2)』の検討内容をまとめると、の時のの近似式
- ・・・・(11)
- ただし
- ()・・・・(12-1)
は、D/D/1の場合、D/M/1の場合についてまず考察して、4つあるうちの2つのパラメータの値を決定し、次に何らかの方法(おそらくシミュレーション)でD/G/1の場合もその2つのパラメータで近似が成り立つことを確認しさらにE2/M/1、E4/M/1についても何らかの方法(おそらくシミュレーション)での値を求めて、それに合うように残りの2つのパラメータの値を決定した、ということです。
私はE2/M/1、E4/M/1についてシミュレーションをする手段を持ち合わせいませんので、この近似式導出手順を確認することは出来ません。しかし、「GI/G/s待ち行列の待ち時間分布を求めて(3)」で示したように私の開発した近似式
- ・・・・(8)
と上記(11)(12-1)の式の値はの時にかなり近い値を取るので、私の開発した近似式もまんざらではないことを示していると受け取りました。
問題になるのはの場合です。この場合、私の開発した近似式(8)とWolfgang Kraemer氏とManfred Lagenbach-Belz氏の近似式
- ・・・・(11)
- ただし
- ()・・・・(12-2)
は若干、値が異なります。では式(12-2)の根拠を調べていきます。Wolfgang Kraemer氏とManfred Lagenbach-Belz氏の論文「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式(Approximate Formulae for the Delay in the Queueing System GI/G/1)」では式(12-2)の導出を以下のように説明しています。
3.2.2.2 超指数到着間隔分布関数
について、調整関数の以下の形式が選択された。
- ・・・・(27)
パラメータはやはりに依存する可能性がある。H2/D/1システムを考察すると、とがシミュレーション結果を無理なく適合させることが判明した。
のへの影響は比較的小さいので、がすみやかに見つけられ、それらはについての最終結果(12-2)を導き出した。
さて、私は検討しようとして最初からつまづいてしまいます。上記引用の最初の行に「以下の形式が選択された」として式(27)が登場するのですが、なぜこの形式が選択されるのかその理由が私にはさっぱり分かりません。
さて、ここからどのように検討を進めたらよいでしょうか?