6 武士の登場  日本の歴史(つづき)

日本の歴史 (6) 武士の登場 (中公文庫)

日本の歴史 (6) 武士の登場 (中公文庫)

この巻を読んでいて、歴史の理解って一筋縄ではいかないなあ、と思ったのは東国の平氏とか都の武者、源氏とかいう記事を読んだときでした。


あれっ、と思いました。私のイメージだと源氏といえば鎌倉、となって東国(関東)のイメージが強く、反対に平氏といえば「伊勢の平氏はすがめぞな〜」の伊勢とか、平家納経で有名な厳島神社のある広島県、あるいは壇ノ浦の合戦の山口県のような、西国のイメージが強いのですが、もともとは平氏は関東に勢力を持っていて、一方、源氏は京都近辺に勢力を持っていたそうです。それが、源頼信(みなもとのよりのぶ)が平忠常(たいらのただつね)の乱で名を上げ、続いて奥州での前九年の役でその子、源頼義(みなもとのよりよし)が名を上げ、後三年の役でその子、源義家(みなもとのよしいえ)が名を上げたのがきっかけで、源氏が関東に根付いたとのことです。そして平氏はどうなったかといいますと、この巻の一つの節のタイトルに関東平氏、源氏の郎等と化す、というのがあるように、源氏の配下に入ったそうです。その一方で関東平氏のうち平維衡(たいらのこれひら)が伊勢に移って伊勢平氏となり、そのひ孫正盛(まさもり)になって、源氏の対抗馬として白河上皇にとりたてられたのだということです。つまり、あまり強大になった源氏を牽制しようとしたということで、この辺に権力者のいやらしさを感じます。平正盛の子、忠盛(ただもり)が宋との貿易を始めるに至って、瀬戸内の豪族達との関係が出来たということです。平氏が西国に基盤を持つようになったのはこのようなわけだったそうです。有名な清盛は忠盛の子です。