タイムスリップ・コンビナート

タイムスリップ・コンビナート (文春文庫)

タイムスリップ・コンビナート (文春文庫)

伊勢に住んでいるのだからと、この伊勢出身の*1芥川賞作家の本を1冊ぐらいは読み通さなければと思いながら今まで一冊も読み通せなかったです。何か延々怒られているみたいだから。初期のこの本には近年の本のように「けーっ!!!」とかなくて読めそうだな、と思って表題の「タイムスリップコンビナート」を最後まで読みました。
 マグロとの恋の夢を見て、その夢からまだ覚めきっていない時に誰か分からない人からの電話を受け、とにかく鶴見線の海芝浦まで行かなければならなくなった。海芝浦で何かがあるわけではなく、都立家政からなぜか東京経由で海芝浦まで行く道のりに、自分が幼い頃過ごした四日市の思い出が重なる、という話。
 わけが分からんと言えばそれまでの話ですが、これに近いことは私も一度やったことがあって、海芝浦駅だったかどうか忘れたけれど、とにかく鶴見線で終点までいって、そこの駅に着いたら、駅の外は工場の敷地で、関係者以外立ち入り禁止になっていて駅からどこへも行けない、という状況で、ひたすら駅で帰りの電車の発車時刻を待っていた、という経験・・・・・。あれはいつだっけ。結婚してからそんな馬鹿なことは奥さんが許さんだろうから、独身の頃だろうか・・・・。だとすると20年以上前のことか。
 そんなわけでこの話は妙に共感出来るのでした。でも、海芝浦駅のように片側が海、という駅ではなかったな。どこだったんだろう?
もうちょっと書きたいけれど、もう時間がないので、今日のところはここまで。

*1:とはいえ伊勢神宮をはじめとする既成の神道に敵意を持つ