原文は
から入手出来ます。
3.2. 基本戦略
セクション2で述べたように、私の戦略は、待ち行列についての正確な結果、つまりアーラン−C公式(2.3)を土台として構築することである。またより基本的な閉形式近似(2.10)と(2.12)プラス(2.6)も利用することが出来る。表13は近似(2.10)を(2.3)と正規近似(2.11)と比較している。正規近似は明らかに小さなについてのみまあまあ適切である傾向がある。
表13
モデルにおける待ち確率の(2.3)による正確な値と重負荷極限に基づく近似との比較Half-Whitt近似は(2.10)であり、一方、正規近似は(2.11)である。
我々はモデルの経験をかなり蓄積してきており、アーランC公式(2.3)は非指数のサービス時間分布について通常優れた近似であることが知られている。よって、の場合意ついてこの同じ近似を用いる。私はこの場合について表を示さない。というのは品質のよい近似が比較的よく知られているからである。
非ポアソン到着であるモデルにおけるかのいずれかの近似についてはまだ多くの研究がなされなければならない。背景としての特殊なケースと対応する損失システムについて何が知られているかを考察することは有用である。
KraemerとLangenbach-Belz (1976)はモデルにおけるのよい近似を提供し、それはWhitt (1983a)によって用いられた。Whitt (1984b)もまたにおける待ち確率を研究した。期待されるように、それらの解析は、到着2乗変動係数だけが異なる2つのシステムについての時、であるという性質を使って近似することを支持する。しかし、Whitt (1984d、定理2)はモデルにおけるはの増加に伴って減少する傾向にあることを示した。彼の例5は同じ到着間隔分布を持つモデルとモデルにおけるの差は非常に小さいことを示している。注目すべきことに、KraemerとLangenbach-Belzの近似はこれらの理論的結果と整合している。
我々はまた損失システムについてのかなりの経験を蓄積してきており、ブロッキング確率(呼混雑)は全てのサーバがビジーである確率(時間混雑)と非常に違う場合がある。Fredericks (1983)とSandersとvan Doorn (1985)はあふれる到着過程の場合のよい近似を開発した。
- ・・・・(3.1)
ただしは到着過程の尖り度因子であり、これはが増加するにつれてに近づく。以下の(3.6)とWhitt (1984e, 1992)を参照。さらに、正規分布近似はしばしば適切である。しかし、基本パラメータ5つ組だけで損失システムのよい近似を開発することは困難そうである。その上限は明らかに損失モデルを解析し近似することをより困難にしている。損失モデルの振舞いは到着間隔時間とサービス時間の分布全体により多く依存しているように見える。