Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue」の翻訳(20)

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3.3.GI/M/mモデル
 GI/M/mモデルについての私の近似を支持する主要な理論的結果はこれらのモデルにおける待ちの確率についての重負荷極限定理である(HalfinとWhitt 1981、定理4)。HalfinとWhittは、M/M/mモデルについての近似(2.10)はGI/M/mモデルについても、(2.10)における\beta\beta_G=2\beta/(1+c_a^2)で置き換えられるならば、(1-\rho)m^{1/2}\rightar\betaとしてm\rightar\inftyかつ\rho\rightar{1}とした時に漸近的に正しいことを示した。GI/M/mモデルについて

  • HW(c_a^2)=\xi(2(1-\rho)m^{1/2}/(1+c_a^2))・・・・(3.2)

としよう。ただし\xi(\beta)は(2.10)で定義される。
 (3.2)を正確なM/M/m公式(2.3)と一緒に用いる明白なやり方は比においてである。

  • P(W(c_a^2)>0)\approx\min\{1,(HW(c_a^2)/HW(1))P(W(M/M/m)>0)\}・・・・(3.3)

である。ただしW(c_a^2)GI/M/mモデルにおける待ち時間をc_a^2の関数として示している。(3.2)の代わりに(3.3)における比の近似を用いて、c_a^2=1の時のM/M/mにおける正確な値を得る。
 GI/M/mモデルのある一族について近似(3.2)と(3.3)とさらに多くの関係する近似を比較する。この種の最良の近似はHW(c_a^2)の下限を用いた比の近似であった(HalfinとWhitt 1981、補題1、p.575)。この近似、下限、あるいはLB率、は

  • P(W(c_a^2)>0)
    • \min\left\{1,\frac{1-\Phi(2(1-\rho)m^{1/2}/(1+c_a^2))}{1-\Phi((1-\rho)m^{1/2})}P(W(M/M/m)>0)\right\}・・・・(3.4)

で定義される。ただし\Phiは同様に累積標準正規分布関数である。D/M/mの場合で見ることが出来るように(表14)、(3.4)のLB率近似は通常うまくいき、同じ場合についてのM/M/mの正確な値よりずっとよい(表13)。


表14
\rho=0.90であるようないくつかのGI/G/4モデルにおける待ち確率P(W>0)の近似と正確な値の比較