Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue」の翻訳(32)

原文は

から入手出来ます。


5.2. 2次モーメント特性
 私は2次モーメントの近似を開発するのに、比較的よく正当化されている近似平均値EQENに非常に頼っている。具体的には、

  • \rm{Var}(Q)=c_Q^2(EQ)^2\rm{Var}(N)=c_N^2(EN)^2
  • E(Q^2)=\rm{Var}(Q)+(EQ)^2E(N^2)=\rm{Var}(N)+(EN)^2・・・・(5.3)

とし、c_Q^2c_N^2の近似を開発することに集中する。

5.2.1. 待ち行列Q
 セクション4.1で条件待ちDを導入したのと同じように、C待ち行列が空でない条件での条件待ち行列長であるとする。つまりC=(Q|Q>0)である。(4.4)と並行して、c_C^2c_Q^2は以下の関係にある。

  • c_C^2=P(Q>0)c_Q^2-1+P(Q>0)
  • c_Q^2=(c_C^2+1-P(Q>0))/P(Q>0)・・・・(5.4)

 (4.2)でのc_D^2と同じように、c_C^2M/G/mの公式で近似する。そしてやはり正確な関係式を以前の近似と組合わせる。具体的には、EWP(W>0)c_D^2を用いる。正確なM/G/mの公式は

  • E(Q^2)-EQ=\lambda^2E(W^2)・・・・(5.5)

あるいは、これと等価であるが

  • c_Q^2=(1/EQ)+c_W^2・・・・(5.6)

である。Brumelle (1972)の定理4の系を参照。(5.5)あるいは(5.6)から

  • c_C^2=\frac{1}{EC}-1+\frac{P(Q>0)}{P(W>0)}(c_D^2+1)・・・・(5.7)

c_C^2{\ge}0を要求するのは自然である。例えば、特殊なM/M/mの場合、EC=(1-\rho)^{-1}c_D^2=1P(Q>0)/P(W>0)=\rhoで(5.7)はc_C^2=\rhoをもたらす。(5.7)をパラメータ(\rho,c_a^2,c_s^2,m)を持つ一般のGI/G/mモデルに適用するために、c_C^2(\rho,c_a^2,c_s^2,m)=c_C^2(\rho,1,c_s^2,m)とする。ただしc_C^2(\rho,1,c_s^2,m)は(5.7)によって与えられる。これはc_D^2が(4.2)

  • EC=P(Q>0)EQ=\lambda{P}(Q>0)EW

によって与えられることを意味する。ただし、セクション5.1で与えられたようにEW=EW(M/M/m)(1+c_s^2)/2P(W>0)=P(W(M/M/m)>0)P(Q>0)=P(Q(\rho,1,c_s^2,m)>0)である。言い換えれば、c_C^2は全てのGI/G/mシステムについて対応するM/G/mの公式によって与えられる。よってc_Q^2は(5.4)によって与えられる。ただし今やP(Q>0)=P(Q(\rho,c_a^2,c_s^2,m)>0)であり、c_a^2P(Q(\rho,c_a^2,c_s^2,m)>0)に影響を与えるが、c_C^2(\rho,c_a^2,c_s^2,m)には影響を与えない。
 最後に、(5.3)と(5.4)を組合わせることによりE(Q^2)\rm{Var}(Q)を得る。同様に、

  • E(C^2)=\rm{Var}(C)+(EC)^2\rm{Var}(C)=(EC)^2c_C^2
  • EC=\max\{1,(EQ)/P(Q>0)\}・・・・(5.8)